車のDIY整備の中でも、タイヤ交換は多くの人がチャレンジする定番作業です。私自身もこれまで何度も自分で交換をしてきましたが、ある時「トルク管理を甘く見ていたせいで、ホイールナットが緩みかける」という怖い経験をしました。今回はその失敗談と、そこから学んだ正しいトルク管理の大切さについてお話します。
実際にあった失敗体験
ある春先、スタッドレスタイヤから夏タイヤに履き替えたときのこと。いつものようにジャッキアップして、クロスレンチでナットを締めていきました。そのとき私は「力を込めて締めれば大丈夫だろう」と思い、トルクレンチは使わずに作業を終わらせてしまったのです。
数日後、高速道路を走っているときに「カタカタ…」と不安な音が聞こえました。路肩に停車して確認すると、なんと1本のナットが手で回せるほど緩んでいました。他のナットも微妙にトルクが足りず、ゾッとした瞬間でした。もしそのまま走行を続けていたら、最悪ホイールが外れて大事故につながっていたかもしれません。
なぜ緩んでしまったのか?
改めて振り返ってみると、原因はいくつもありました。
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規定トルクを守らなかった
車には車種ごとに決められた「規定トルク値」があります。軽自動車なら85~110N·m、普通車なら100~120N·mが一般的です。私はそれを確認せず「手の感覚」で締めてしまったため、十分な力がかかっていませんでした。 -
締め付け順序を守らなかった
本来は対角線上に少しずつ均等に締める必要があります。しかし私は1本ずつグッと締めていったため、力が偏ってしまい、正しく固定されなかったのです。 -
増し締めを忘れた
タイヤ交換後は50~100km走行したあとに増し締めをするのが基本。走行中の振動でわずかにナットが緩むことがあるためですが、それすら知らずに放置していました。
この失敗から学んだこと
今回の経験で「トルク管理の重要性」を身をもって知りました。具体的に学んだことは以下の通りです。
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必ずトルクレンチを使うこと
感覚ではなく工具に頼る。DIYでもトルクレンチは必須です。 -
規定トルクを確認すること
取扱説明書やメーカーサイトに記載されている数値をチェック。車種によって数値は微妙に違います。 -
対角線順で均等に締めること
一気に締め込まず、少しずつ均等に回すのが正しい方法です。 -
走行後は必ず増し締め
面倒でも数十km走ったら再度確認。安全のための最低限の習慣です。
まとめ
ホイールナットのトルク管理を怠ると、最悪の場合は走行中にタイヤが外れ、大事故につながる危険があります。私は一度失敗を経験したことで「DIYだからこそ、基本を守ることが大切」だと痛感しました。
これからDIYでタイヤ交換に挑戦する方は、必ずトルクレンチを用意して規定値で締め付け、さらに走行後の増し締めも忘れないようにしてください。ほんの少しの手間が、自分と周囲の安全を守ることにつながります。
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