車を大切に乗り続けたい――そう思ったとき、多くの人が考えるのが「自分でできるメンテナンスってどこまで?」という疑問です。
実際、DIYで十分できる作業もあれば、プロでなければ危険だったり、設備や資格が必要な作業もあります。
この記事では、DIYでできること・できないこと、そしてプロにしかできない作業の理由をわかりやすく整理します。
DIYメンテナンスとは?
DIYメンテナンスとは、「整備工場に頼らず、自分の手で車を点検・交換・調整すること」。
近年は工具の入手性もよく、SNSや動画で手順も確認できるため、初心者でも挑戦しやすくなっています。
ただし、車は命に関わる機械です。
誤った作業は重大事故につながるため、「知識・技術・工具・リスク」の4点を理解して取り組む必要があります。
DIYでできるメンテナンス例(初心者向け)
基本的に「分解が少ない作業」「締め付けトルクが重要でない作業」が目安です。
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エンジンオイル交換
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ワイパーゴム交換
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エアコンフィルター交換
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バッテリー交換
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タイヤ交換(脱着のみ、組み替えは不可)
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ライトバルブの交換
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洗車・コーティング・車内清掃
これらは失敗しても重大事故には直結しにくく、手順通りにやれば問題ありません。
中級者向け:スキルと工具があれば可能なDIY作業
ここからはミスが事故に直結する作業も増えてくるので注意。
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ブレーキパッド交換
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ブレーキローター交換
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プラグ交換(イグニッションコイル付き)
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スロットル清掃
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タイヤローテーション
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簡単な電装品取り付け(ドラレコ・ホーンなど)
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エアクリーナー交換
これらは正しい手順を理解し、トルク管理ができる工具(トルクレンチなど)が必要です。
DIYでは危険!プロに任せるべき作業
理由は“設備と知識”が必要、または“法的な規制”があるため。
①ブレーキライン(油圧)をいじる作業
・エア抜き
・配管交換
・ABS関連
→ミスは即、ブレーキ喪失=重大事故。
②エンジン内部・ミッション内部
・タイミングチェーン
・クラッチOH
→分解難度が高く、専門知識と工具が必須。
③サスペンション分解と高度な足回り作業
・ロアアーム脱着
・アライメント調整
→安全の要になる部分で、締め付けトルクも多く、プロ設備が必要。
④タイヤの組み替え
→専用のチェンジャーとバランサーが必要。DIY勢でも難易度が高い。
⑤エアバッグ・ハイブリッド車高電圧作業
→誤ると感電や誤作動など重大リスク。
なぜ“DIYでは危険な作業”があるのか?
理由は3つあります。
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必要な設備が一般家庭にない(リフト・特殊工具など)
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締め付けトルクのミスが事故につながる(足回り・ブレーキ)
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法的に資格が必要な作業がある(二種免・整備士資格など)
車は“走る凶器”なので、整備の世界では安全のために多くのルールや専門性があります。
結論:DIYの範囲は「安全に失敗できる作業」が基準
「もしミスしても即事故につながらない作業」
=ここがDIYの安全ライン。
逆に、ブレーキ・足回り・エンジン内部は単純に難しいだけでなく、ミスが取り返しのつかない事故に直結するため、プロに任せるのが基本です。
「自分でやる」と「任せる」を正しく使い分けてこそ、長く安全に車を楽しむことができます。
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