車のAT(オートマチックトランス)ミッションは、故障の頻度は比較的少ないパーツです。
ATミッションもまったく故障しないわけではありません。
むしろ滅多に故障しないパーツであるだけに、いざ故障するとどうしていいか余計に慌ててしまうこともある箇所のトラブルです。
ATミッションが故障する主な原因
ATミッションが故障する原因としては、以下のようなことが考えられます。
経年劣化
どんなに故障が起こりにくいパーツでも10万キロ、15万キロと長年乗り続けていると内部の部品が磨耗したり、破損したりといった経年劣化が進んでしまいます。
キックダウンを多用するような運転の仕方や使い方によっては、劣化が早く進むこともあります。
ATF(オートマチックトランスミッションフルード)の不具合
ATミッション内部の精密なギアの潤滑や油圧等、重要な役割を担っているのがATFです。
何らかの原因でこのATFに不具合が起こると(漏れや不適切な交換など)、ATミッションの故障につながってしまいます。
ATミッションが故障した時に起こる現象や不具合にはどんなものがあるのか
ATミッションが故障すると、以下のような不具合が発生します。
・ATミッションが滑って動力がうまく伝わらない(加速がにぶい)
・オイルが焦げたような異臭が発生する
・ギアチェンジの際にショックを感じる
・燃費の悪化
いずれの場合も最悪の場合は、車が動かなくなることがあるため、症状を感じたら早めに対処することが大切です。
ATミッションの一般的な交換費用や修理費用はどのくらいか
ATミッションに不具合が生じた場合、対処方法は主に二つあります。
どちらを選択するかによって、費用が大きく異なるため注意が必要です。
一つ目は、比較的初期の段階であればATFを交換することです。
最近では、ATFの交換を推奨していない車種も多く、2、3万キロ以上交換していないATFを交換すると、かえってATミッションに悪影響を与えてしまうことが多いと言われています。
整備店によってはきちんとATミッション内部の洗浄までやってくれるところもありますが、あまり詳しくないのに自分で行った際などは、最悪の場合、ATミッションが完全にダメになることもあります。
整備店でATFの交換を依頼する場合
おおよそ8,000円~30,000円程度の費用を見ましょう。
二つ目は、ATミッションの交換もしくはオーバーホールです。
滑りや変速ショックが大きくなっている場合は、乗せ換えやオーバーホールのいずれかで対処することになります。
この方法であれば、より確実に不具合は解消しますが、費用的には
オーバーホールだと最低でも、約20万円以上かかることが予想されます。
乗せ換えとなるとさらに費用がかさむケースもあります。
まとめ
ATFの交換、ATミッションの交換などの各種費用は地域や整備店、車の状態などによって変わるため、必ず見積りを取ってから依頼するようにしてください。
ATミッションの不具合は、修理費用や車の登録年数、ローン残債などと勘案しながら、車の買い替えを検討する機会と考えることもできます。
修理した方がいいか、思い切って買い替えた方がいいか、良く考えて決断することをおすすめします。