車やバイクの整備をしていると、
「普通の六角じゃない…星みたいな形のネジ…?」
というボルトに出会うことがあります。
それが “トルクス(T字)ボルト”。
この記事では、六角ボルトとの違い、そしてDIYで失敗しない外し方をまとめて紹介します。
■1. トルクスボルトとは?
トルクスボルトは、頭の穴が“6つの突起”になっている特殊形状のボルト。
✔ 特徴
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星形(★)の凹み
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工具がしっかり噛む(外れにくい)
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高トルクに強い
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車・バイク・家電など幅広く使われる
✔ 車でよく使われる場所
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ブレーキキャリパー周り
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シートレール
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内装クリップの隠しネジ
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センサー類(エアバック・ABSなど)
重要部品に使われることが多いのがポイント。
■2. 六角ボルトとは?
六角ボルトは最も一般的なボルト。
✔ 特徴
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六角レンチや六角ソケットで回す
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軽い力で回しやすい
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シンプルで工具が安い
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DIYでも大量に使われる
✔ 弱点
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工具が奥まで刺さらないと“ナメやすい”
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古い車の六角は特に潰れやすい
■3. トルクスと六角の構造的な違い
| 形状 | 特徴 | 強み |
|---|---|---|
| トルクス | 星形の凹み | 工具が深く噛む→なめにくい |
| 六角(ヘックス) | 六角形の凹み | 工具が刺しやすい・種類が豊富 |
トルクスは“トルクをしっかり伝えられて潰れにくい”
→ 安全系や重要部分に使われる
六角は“軽い力で簡単に扱える”
→ DIY・一般パーツに使われる
■4. どっちが外れにくい?
結論:
トルクスのほうが圧倒的に外れにくい(力がかけやすい)
理由
-
深く刺さる
-
接触面積が広い
-
工具がズレにくい
なので、錆びた六角はナメやすいが、錆びたトルクスは意外と普通に外れることもある。
■5. DIYで失敗しにくい外し方のコツ
ここからが“へっぽこ整備士でもできる実践編”。
▼トルクスボルトを外すコツ
① 工具をしっかり奥まで差し込む
トルクスは “奥まで刺さってないと即アウト”。
少し浮いてるだけで簡単になめる。
👉 つぶれ防止の9割は「奥まで入れる」こと。
② ハンマーで“コンッ”と叩いて食わせる
固着してるトルクスは、軽く叩いて座りを整えるだけで噛みが良くなる。
特に
-
ブレーキ周り
-
下回りのボルト
これで成功率が上がる。
③ 緩め初動はブレーカーバーが最強
ラチェットでガチャガチャやるとナメる。
👉 初動は必ずブレーカーバー
→ 一気に“ガッ”と力を入れると外れやすい。
④ サイズを間違えない
トルクスは微妙なサイズ違いだと即破壊。
例:
T30 → × → 入りそうでもナメる
T27 → 〇 → しっかり刺さる
工具セットはT8〜T50まであると安心。
⑤ 錆がある場合は必ず浸透剤
固着具合がひどいと、トルクスでも回らない。
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KURE 5-56
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WAKO’S ラスペネ
浸透剤を吹いて10分放置 → ブレーカーバーで初動
これで大体いける。
▼六角ボルトを外すコツ
六角はトルクスよりナメやすいので注意。
① 良い“六角ソケット”を使う(特に12.7sq)
薄い六角レンチより
ソケット+ブレーカーバーのほうが確実。
特にサス系の六角は絶対にソケット一択。
② 完全に垂直に差し込む
六角は斜めに力をかけると即転ぶ。
👉 工具の軸とボルトの軸をまっすぐに合わせる
これができない場合はエクステで角度調整。
③ インパクトは最後の手段
インパクトは便利だけど、古い六角は潰しやすい。
固くて回らないなら
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浸透剤
-
ブレーカーバー
-
それでも無理ならインパクト
の順。
④ 錆びて丸くなってきたら“六角+”ソケット
外し専門の太いソケット
(外側からガチッと噛むタイプ)
があるとナメかけでも救える。
■6. トルクスと六角、どっちがDIY向け?
結論:
初心者は六角のほうが扱いやすい。
でも整備で重要パーツに触るならトルクスのほうが安心。
特に
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キャリパー
-
センサー類
-
エンジン周り
はトルクス化されていることが多く、プロ整備に近づく。
■7. まとめ
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トルクス=高トルクOKでナメにくい
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六角=扱いやすいがナメやすい
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外すコツは“奥まで刺す・垂直・初動はブレーカーバー”
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錆は必ず浸透剤
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サイズ違いは絶対ダメ
DIYで一番の失敗はナメさせることなので、
この記事のコツを守ればほぼ回避できます。
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