電装DIYでは「電気が流れているか」「どのくらい電圧が出ているか」を確認するのがとても重要です。
ヒューズ切れや断線、電装品が動かないトラブルを特定するには 電流計・電圧計(マルチメーター) が欠かせません。
ここでは、初心者でも分かるように電流計と電圧計の違いから使い方まで解説します。
■ 電流計と電圧計の違い
| 計測器 | 測るもの | 主な用途 |
|---|---|---|
| 電圧計 | 電気の「圧力(V)」 | バッテリーや電装品の電圧確認 |
| 電流計 | 電気の「流れ(A)」 | 電装品が消費している電流の確認 |
たとえばライトが点かないとき、電圧が来ていなければ「断線」や「ヒューズ切れ」、
電圧はあるけど電流が流れないなら「接触不良」や「スイッチの故障」が疑えます。
■ 電圧計の使い方(基本)
電圧計は プラスとマイナスを測定対象に“並列”につなぐ のが基本です。
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メーターを「DCV(直流電圧)」モードに設定
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赤いリードを+側(例:バッテリーの+端子)へ
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黒いリードを-側(車体の金属部分)へ
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表示された電圧を確認
👉 例:
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バッテリー電圧 → 約12.6V(正常)
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エンジン始動時 → 約13.8~14.5V(充電中)
12Vを大きく下回っていれば、バッテリー劣化やオルタネーターの不調が考えられます。
■ 電流計の使い方(注意が必要)
電流計は 測定対象と“直列”につなぐ 必要があり、接続ミスでヒューズを飛ばすこともあります。
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メーターを「DCA(直流電流)」モードに設定
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電装品の電源線を途中で切り、間に電流計を挟む
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電装品をONにして、流れる電流値を確認
👉 例:
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LEDライト → 1A前後
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ドライブレコーダー → 0.3~0.5A程度
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コンプレッサー → 5A以上(注意!)
※上限値を超えるとメーターが壊れる場合もあるため、まずは「10Aレンジ」で測定しましょう。
■ 電装DIYでの応用ポイント
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電圧が低下している=配線抵抗や接触不良の可能性
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電流が多すぎる=ショートや過負荷の可能性
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電流が流れない=断線または電源ライン不通
この2つを組み合わせて使えば、配線トラブルの原因がかなり絞り込めます。
■ 測定時の注意点
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エンジンルーム内では金属工具のショートに注意
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測定レンジを間違えるとメーターが破損
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アースは塗装のない金属部に接続する
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測定後は必ず電源OFFにしてリードを外す
■ まとめ
電圧計と電流計を使いこなせば、
「電装品が動かない」「電源が落ちる」といったトラブルの原因が一気に見えてきます。
特に電装DIYでは、感覚よりも“数値で確認”することが大切です。
最初はバッテリー電圧のチェックから始めて、徐々に電流測定にも慣れていきましょう。

