車やバイクのDIYでは、ボルト・ベアリング・可動部などに「どんなグリスを使うべきか?」で迷いがち。
間違った種類を使うと耐熱不足・樹脂を傷める・すぐ流れ落ちるなどトラブルの原因になるから、基本の使い分けを知っておくのはかなり大事。
1. リチウムグリス(万能タイプ)
✔ 特徴
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もっとも一般的、迷ったらコレ系
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耐水性・耐熱性がそこそこ高い
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金属同士の摩擦を軽減するのが得意
✔ 使う場所
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ドアヒンジ
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サスペンション周りの金属部
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ボルト・ナット
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シャフト・ピン類
✔ 注意
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樹脂・ゴム部分にはあまり向かない(成分によっては痛める)
2. シリコングリス(ゴム・樹脂に最適)
✔ 特徴
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ゴム製品に安全
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水に強く、滑り性が高い
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低温でも硬くなりにくい
✔ 使う場所
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ラバーパーツ
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ブレーキキャリパーのスライドピン(ゴムブーツ対応のもの)
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樹脂パーツの擦れる部分
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Oリング
✔ 注意
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金属の高負荷部分には不向き(潤滑力は弱め)
3. モリブデングリス(高荷重に強い)
✔ 特徴
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摩擦に非常に強い
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高負荷・高圧がかかる部分に最適
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黒い色のグリス
✔ 使う場所
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駆動系のスプライン
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ボールジョイント
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ユニバーサルジョイント
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ブレーキパッドの裏(鳴き防止)
✔ 注意
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ゴムや樹脂には基本NG
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手や服に付くと落ちにくい…
4. ウレアグリス(近年の万能型)
✔ 特徴
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リチウムより高い耐熱・耐水性
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EV車やハイブリッドのメンテで使われることも増加
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長期間性能が落ちにくい
✔ 使う場所
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ハブベアリング
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高温になる金属摺動部
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産業機械などのシビア用途
✔ 注意
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価格は少し高め
5. カッパーグリス(耐熱性最強クラス)
✔ 特徴
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金属粉(銅)入り
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耐熱温度は1000℃超えもある
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焼き付き防止にも優秀
✔ 使う場所
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ブレーキパッドの裏
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ブレーキのボルト類
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マフラーのボルト類
✔ 注意
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センサー類が近いと誤作動の原因になる
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アルミ部品は腐食の原因になることも(使わないほうが良い)
6. セラミックグリス(ブレーキ作業で定番化)
✔ 特徴
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金属粉を含まない
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ブレーキセンサーにも安全
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超高温に強い(800℃前後)
✔ 使う場所
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ブレーキパッド裏
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キャリパーの摺動部
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マフラーのボルト
✔ 注意
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汎用としては高価
用途別の”正解グリス”早見表
| 作業内容 | 使うべきグリス |
|---|---|
| ドアヒンジ | リチウム |
| サスペンション金属部 | リチウム / ウレア |
| ゴムOリング | シリコン |
| ブレーキスライドピン | シリコン(ゴム対応) |
| パッド裏の鳴き防止 | カッパー / セラミック |
| ベアリング | ウレア |
| スプライン(高荷重部) | モリブデン |

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まとめ(初心者向け)
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迷ったらリチウムorウレア
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ゴムには絶対にシリコン
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ブレーキは特殊グリス(カッパー/セラミック)必須
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高荷重ならモリブデン
このあたりを押さえておけば、DIY作業でグリス選びを間違えることはほぼなくなるよ。

