タイヤ交換や足回りの作業で大活躍する「インパクトレンチ」。
一本あるだけで作業スピードが一気に上がりますが、
種類選びを間違えると“ナットが外れない・締まりすぎて破損する”などのトラブルが起こる工具でもあります。
この記事では、DIY整備初心者でも失敗しない
インパクトレンチの選び方・注意点・おすすめの使い方までまとめて解説します。
■ インパクトレンチとは?
圧縮空気(エア)、電動モーター、バッテリーなどを使って
高トルクでボルト・ナットを締めたり緩めたりする工具。
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タイヤ交換
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サスペンション作業
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アンダーカバーや固着ボルトの取り外し
などで非常に役立ちます。
■ インパクトレンチは3種類ある
DIYで主に使うのは以下の3タイプ。
1. 電動(コード式)
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電源につなげば使用可能
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パワーは十分
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価格は比較的安め
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取り回しはやや悪い
ガレージ作業向け。
2. 充電式(コードレス)
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最近の主流
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パワー・取り回しのバランスが良い
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車載できる
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バッテリーの寿命や充電が必要
DIYならこれが1番おすすめ。
3. エアー式
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コンプレッサーが必要
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パワーは最強クラス
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プロ整備士・タイヤショップ向け
DIYの場合、コンプレッサーの購入コストと設置スペースがネック。
■ 選ぶときの最重要ポイント3つ
① 緩める力(最大トルク)が足りないと使い物にならない
タイヤのホイールナットは一般的に 100〜120N・m。
固着していると 200N・m近く必要なこともあります。
そのため、DIYで使うなら最低ラインは:
✔ 最大トルク:300〜400N・m以上
これ以下だと固着ボルトに太刀打ちできないことが多いです。
② ソケットサイズ(差し込み角)
DIYの標準は 1/2インチ(12.7mm) です。
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1/4(6.35mm) → 内装向け
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3/8(9.5mm) → エンジン周り
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1/2(12.7mm) → 足回り・ホイールナット向け ← ここが重要
1/2サイズを選ばないとホイールナット作業に使えません。
③ 重さ・サイズ
意外に重要。
片手で長時間作業すると
重いモデルは手首が死にます…。
メーカーで差があり、
軽いモデルは使いやすさが段違い。
■ インパクトレンチを買うときに注意すべき点
❌ ① 締め付けに使うと“オーバートルク”で破損の危険
インパクトレンチは 基本的に“緩める専用” と考えましょう。
締め始めには使っても良いですが、
最終締めは絶対にトルクレンチで行うことが鉄則。
締め付けをインパクトで行うと:
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ハブボルト折れ
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ネジ山破損
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ホイール座面へのダメージ
など大事故の原因になります。
❌ ② 格安インパクトはパワー不足のことが多い
数千円〜1万円台の安物は
“最大トルク400N・m”などと書いてあっても
実際は150〜250N・mしか出ていないことも…。
→ ナットが緩まない → 逆にナメる
という最悪パターンにつながることもあるので注意。
❌ ③ ソケットは必ず「インパクト用」を使う
通常のソケットは割れます。
インパクト用は以下の特徴:
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分厚い
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衝撃に強い素材
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六角がナメにくい
安全のためにも必ずインパクト用を使用。
❌ ④ バッテリー型は「互換バッテリー」の選択に注意
安い互換バッテリーは、
保護回路が弱く 発火・過電流・寿命激減 のリスクあり。
■ DIY向けのおすすめスペックまとめ
ホイールナット・足回り作業をする前提で考えると…
| 項目 | 推奨スペック |
|---|---|
| 最大トルク | 400N・m以上 |
| タイプ | 充電式コードレスが最適 |
| 差し込み角 | 1/2インチ(12.7mm) |
| ソケット | インパクト用(薄肉タイプだと外しやすい) |
| バッテリー容量 | 2.0Ah~4.0Ah |
この条件を満たせば、
タイヤ交換〜簡単な足回り作業まで問題なく対応できます。
■ インパクトレンチを安全に使うコツ
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ボルトに対して まっすぐ当てる
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ソケットを最後まで挿入する
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緩め方向を確認する(逆回転)
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錆びや固着には 潤滑剤+手工具で初動を与える
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最終締めは必ず トルクレンチ
この5つを守れば大きな失敗はまず起きません。
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■ まとめ
インパクトレンチは、
選び方を間違えると使えない工具NO.1ですが、
正しく選べばDIYに革命が起きるほど便利なアイテムです。
ポイントはこの3つ:
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400N・m以上のパワー
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1/2インチ差し込み角
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最終締めは絶対にトルクレンチ
初心者でも扱いやすいので、
タイヤ交換を自分でする人にはぜひ揃えてほしい工具です。

