車の下にもぐって作業する時、もっとも重要なのが ジャッキスタンド(ウマ)。
油圧ジャッキで車を持ち上げただけの状態はとても危険で、もしジャッキが傾いたり油圧が抜けたら、一瞬で車が落ちて事故につながります。
この記事では、ジャッキスタンドを選ぶ際のポイントと、安全に設置するための手順をわかりやすく解説します。
1. ジャッキスタンドの選び方
■ ①耐荷重は“車重の2倍”を目安に
ジャッキスタンドには「2t」「3t」などの耐荷重が表示されています。
これは 1台で支えられる重さ を示すため、左右2本で使うなら「車重の2倍」以上を選ぶと安心。
▼ 例
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アルファード:車重約2t
→ 3t×2本(合計6t分) が理想 -
軽自動車:車重約900kg
→ 2tスタンドで十分
余裕のある耐荷重を選ぶほど倒れにくさが向上 するので、大きめを買っておくと後悔しません。
■ ②支柱のタイプで選ぶ(ラチェット式 or ピン式)
● ラチェット式(定番)
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レバーで高さ調整
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整備初心者に扱いやすい
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一番普及しているタイプ
デメリット:
衝撃でラチェットが緩むことはほぼ無いが、ピン式よりは機械的要素が多い。
● ピン式(安全性最強)
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穴に太いピンを差し込んで固定
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固定力が高く、外れる心配が少ない
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プロの現場での使用率が高い
デメリット:
高さを変える時、ピンの抜き差しが少し面倒。
■ ③接地面・天板の形で選ぶ
● 接地面(脚)は広いほど安定
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広い三角脚
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鉄板溶接がしっかりしている
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ゴム付きは床面を傷つけにくい
安い物は脚の広がりが狭く、転倒リスクが増えるので注意。
● 天板(車を支える部分)
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“溝付き”はサイドシル用
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“フラット”はフレームやアーム用
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ゴムパッド付きは車体に優しい
DIYの場合は 交換可能なゴムパッド付き を選ぶと安心。
■ ④最低・最高高さも重要
車高が低い車は最低高さが低くないと入りません。
逆に車高が高いミニバンやSUVは、最高高さが足りないと作業しづらい。
目安
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最低高さ 28cm以下 → 普通車・軽
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最低高さ 32cm以上 → ミニバン・SUV
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最高高さ 40cmあると作業がラク
2. ジャッキスタンドの安全な設置方法
■ 手順①:平坦で固い地面を選ぶ
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アスファルトの柔らかい部分NG
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砂利・土は沈むのでNG
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コンクリートの上がベスト
不安定な場所は事故の原因になります。
■ 手順②:輪止めを必ず使う
前後どちらかのタイヤに 輪止め(車止め)を設置。
ブレーキだけでは車は動くので、輪止めは必須と思ってください。
■ 手順③:油圧ジャッキで車を持ち上げる
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車体の「ジャッキポイント」に合わせる
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一気に上げず、少しずつ持ち上げる
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車が横揺れしないか確認しながら作業
■ 手順④:ジャッキスタンドを“指定ポイント”へセット
車種ごとに決まっている ウマかけポイント に当てる。
代表例:
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サイドシルの補強部分
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フレーム
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ロアアーム付け根(車種による)
誤った位置は 変形・破損の原因 になるため注意。
■ 手順⑤:ジャッキを少し下げて荷重を移す
油圧ジャッキの荷重をゆっくり下ろし、ジャッキスタンドに車重を預ける。
完全に離す前に、
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ガタつきがないか
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しっかり接地しているか
をチェック。
■ 手順⑥:左右同じ高さになっているか確認する
傾いていると転倒リスクが上がるので、左右の高さが揃っているか確認。
■ 手順⑦:油圧ジャッキは“補助”として残すとさらに安全
油圧ジャッキを 1〜2cmほど車体に触れる位置 に残すと、
万が一スタンドが倒れても車落下を防げる。
プロ現場でも行われる安全テク。
3. 絶対にやってはいけない危険行為
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ジャッキだけで車の下に入る
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斜面で作業する
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耐荷重不足のスタンドを使う
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ウマをブロックや木材で代用する(折れる)
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傾いたまま作業を続ける
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輪止めなしで作業する
どれも重大事故につながるから注意!
4. まとめ|安全最優先で選べばDIY作業がもっと安心に
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ジャッキスタンドは耐荷重に余裕があるもの
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ラチェット式 or ピン式は好みでOK
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広い脚・ゴムパッド付きが使いやすい
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平坦な地面+輪止め+左右同じ高さが基本
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作業中は油圧ジャッキを補助で残すと安心
ジャッキスタンドは“命を守る道具”だから、良い物を選んで正しく使うことが一番大事。
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