ドラレコやUSB電源、追加照明などを取り付けるとき、
「ヒューズボックスから電源を取る」のが定番の方法です。
しかし、ヒューズボックスは車の電気を集中管理している重要部分。
取り方を間違えると、通電しない・ショートする・電子機器が誤作動するなど、
思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
この記事では、ヒューズ電源の正しい取り方と注意点をわかりやすく解説します。
ヒューズボックスとは?仕組みを簡単に理解しよう
ヒューズボックスには、車の各機能に対応したヒューズが並んでいます。
ヒューズは「電気の安全弁」のようなもので、過電流が流れると内部の金属が溶けて回路を遮断。
火災や機器の破損を防ぐ役割をしています。
つまり、ヒューズボックスは電装系の“心臓部”。
扱い方を間違えると、車全体に影響が及ぶ可能性もあるのです。
電源を取る前に確認すべきポイント
① どの電源を使うかを決める
ヒューズには「常時電源」「ACC電源」「IGN電源」があります。
用途によって正しい電源を選びましょう。
| 電源の種類 | 通電タイミング | 使い道の例 |
|---|---|---|
| 常時電源 | エンジンOFFでも電気が流れる | 時計、ドライブレコーダー常時録画 |
| ACC電源 | キーON(ACC)で通電 | ナビ、USB電源 |
| IGN電源 | エンジン始動中のみ通電 | メーター系、補助機器 |
たとえば「走行中のみ動作させたい」ならIGN電源。
「エンジンを切ったら止まる」機器ならACC電源を選びます。
② 空きスロットまたは安全な回路を使う
空きスロットがあればそこから取るのが理想です。
空きがない場合は、**負荷の少ない回路(シガーソケットやオーディオなど)**を選ぶと安全です。
ただし、エアバッグやABSなどの安全装置系のヒューズに触れるのはNGです。
誤って電気が逆流すると、エラーコードが出たり警告灯が点灯するおそれがあります。
ヒューズ電源(ヒューズタップ)を使うときの注意点
ヒューズボックスから電源を取る際は、必ず「ヒューズ電源(ヒューズタップ)」を使用します。
純正ヒューズの代わりに差し込むだけで、簡単に電源を分岐できますが、
正しい方向とヒューズ容量を守ることが重要です。
① ヒューズ電源の差し込み方向に注意
ヒューズには「入力側」と「出力側」があります。
これを逆に差すと、ヒューズを介さずに電気が流れてしまうことがあるため危険です。
✅ 確認方法
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テスターでヒューズの両端を調べる
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エンジンOFFでも電気が流れている側が「入力側」
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そこにヒューズ電源の「電源線側」を向けて差す
方向を間違えると、過電流時にヒューズが機能しない恐れがあるため注意しましょう。
② ヒューズ容量を守る
ヒューズ電源には「元のヒューズ」と「追加ヒューズ」の2つが並びます。
それぞれの容量設定が大事です。
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元のヒューズ:純正指定の容量をそのまま使う
-
追加ヒューズ:取り付け機器の消費電流に合わせる(多くても10A以下)
ヒューズ容量を大きくしすぎると、過電流が流れてもヒューズが切れず、配線が焼けるリスクがあります。
③ 接続部は確実に固定する
ヒューズ電源の配線は、軽く引っ張って抜けないようにしっかり固定しましょう。
また、ヒューズボックス周辺は狭いため、無理な折り曲げや圧迫も避けます。
最後に絶縁テープやコルゲートチューブで保護すると安心です。
よくある失敗例
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逆方向に差してヒューズが効かない
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空きスロットの位置を間違えて通電しない
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常時電源とACC電源を勘違いしてバッテリー上がり
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電源線をむき出しのまま閉じ込めてショート
こうした失敗は、ほとんどが「テスター確認不足」か「差し込み方向ミス」です。
慣れるまでは1回ずつテスターで電圧を確認するのがおすすめです。
まとめ:ヒューズ電源は便利だが、扱いは慎重に!
ヒューズボックスから電源を取るのは、配線を切らずに済む便利な方法です。
しかし、方向や容量を誤るとヒューズの意味がなくなり、重大トラブルにつながることも。
安全に使うためには——
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差し込み方向を必ず確認
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ヒューズ容量を守る
-
安全装置系の回路は避ける
この3点を意識すれば、ヒューズ電源は初心者DIYでも安心して使えます。
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