車の電装DIYでは「電源を取る」工程が必ず登場します。ドラレコや追加照明、USB電源などを取り付ける時に、どの配線から電気を取るかがポイントになります。
しかし、間違った電源の取り方をすると、ヒューズが切れたり配線が焼けたり、最悪は車両火災の原因になることも…。
今回は、電源取りの基本と安全な分岐方法を、初心者向けに分かりやすくまとめました。
電源の取り方を間違えるとどうなる?
電気は「プラス(+)」と「マイナス(−)」の流れで動いています。
この仕組みを理解せずに配線をつなぐと、思わぬトラブルが発生します。
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+と−を誤接続するとショート(短絡)
→ 一瞬で大電流が流れ、ヒューズが切れるか配線が焼損します。 -
電流量を無視して分岐
→ 元の線が耐えられず、被覆が溶ける危険があります。 -
電子制御系から無理に取る
→ ECU(エンジンコンピューター)やセンサー誤作動の原因にも。
最近の車は電子制御が多く、電装トラブルが車の動作にまで影響することもあります。
つまり、「適当な線から電気を取る」は非常に危険なんです。
電源の種類を理解しよう
車には大きく3種類の電源があります。用途によって正しく使い分けるのが基本です。
| 電源の種類 | 通電タイミング | 主な用途 |
|---|---|---|
| 常時電源 | エンジンOFFでも通電 | ルームランプ、時計、バックアップ電源 |
| ACC電源 | キーON(アクセサリー)で通電 | オーディオ、ドラレコ |
| IGN電源 | エンジン始動中のみ通電 | 点火系、エンジン制御 |
たとえばドラレコならACC電源、追加メーターならIGN電源が適しています。
常時電源から取ると、エンジンOFFでも通電してバッテリー上がりを起こすケースもあるので注意しましょう。
安全な電源分岐方法
① ヒューズ電源を使う(おすすめ)
もっとも安全で簡単なのが「ヒューズ電源」です。
純正ヒューズボックスの空きスロットに差し込むだけで電源を分岐できます。
配線を切ったり剥いたりする必要がないので、初心者にも最適です。
👉ポイント
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元のヒューズ容量を超えないこと
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ヒューズ電源側にも必ずヒューズを入れること(別系統として保護)
② ギボシ端子で確実に接続
電源を延長したり、他の機器に分岐する場合は「ギボシ端子接続」が基本。
圧着工具でしっかりかしめることで、脱落や接触不良を防げます。
見た目もスッキリし、後から取り外すことも可能です。
③ エレクトロタップは仮配線向き
エレクトロタップ(いわゆる「カニさん」)は、手軽に分岐できる便利アイテムですが、
接触不良や断線リスクが高く、長期使用には不向きです。
一時的なテスト配線や、動作確認のみに使うのが無難です。
分岐作業の前に必ずやること
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バッテリーのマイナス端子を外す
→ ショートや感電を防ぐ基本中の基本。 -
配線ルートを確認
→ 動く部品や熱を持つ箇所(エンジン、ヒーター)を避けて固定。 -
テスターで電圧を確認
→ 思い込みで接続せず、必ず通電タイミングを確認。
特にテスターで「常時電源なのか」「ACC電源なのか」を見極めるのは重要です。
まとめ:安全第一でDIYを楽しもう
電装DIYでよくあるトラブルの多くは、「電源取りミス」から起こります。
しかし、電源の種類を理解し、正しい分岐方法を守れば、安全に作業できます。
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無理に配線を分岐せず、ヒューズ電源を使う
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端子はしっかり圧着
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作業前にマイナス端子を外す
この3つを守るだけで、失敗はぐっと減ります。
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