「ラチェットがカリカリ言うだけで回らない…」
「正転・逆転切り替えても噛まない…」
こんな症状、DIY整備ではあるあるです。
ラチェットハンドルは中のギアで力を伝える仕組みなので、ちょっとした汚れや摩耗でも動作不良が起こります。
今回は 空回り(ギアが噛まない)原因と、自分でできる対策 をわかりやすく解説します。
🔧 空回りの主な原因
① ギア内部のグリス劣化・汚れの詰まり
ラチェット内部はグリスで滑らかに動くようになっています。
しかし長期間使っていると
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グリスが硬化
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砂や金属粉が混ざる
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歯に汚れがかぶさる
ことで、パウル(爪)が引っかからず「空転」します。
→最も多い原因。
② パウル(爪)のバネが弱っている
ラチェットの構造で、回転方向を切り替えるパーツを“パウル”と呼びます。
このパウルを押し付ける 小さなスプリング が弱ると、
ギアに噛み合わず空転します。
③ ギア自体の摩耗・欠け
長年酷使していたり、固いボルトを強引に回していると
ギアの歯が 丸くすり減る ことがあります。
この場合は修理ではなく 寿命。
④ トルクのかけすぎ(誤使用)
ラチェットは 回すための工具 であって「緩める・締める」の強いトルクには向きません。
特に
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ブレーカーバー代わり
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長いパイプで延長
などをすると、内部ギア破損の原因になります。
⑤ セレクター(正逆切替)が汚れて動きが悪い
右・左を切り替えるスイッチ部分が固着して
内部の爪が正しい位置に動かず空回りすることがあります。
🔧 ラチェットが空回りした時の対策
① 分解して洗浄 → グリス塗り直し
最も効果あり。
ほとんどのラチェットは分解OKです。
手順
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ネジやピンを外してギアを取り出す
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パーツクリーナーでしっかり洗浄
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乾燥後、ラチェット用グリスを薄く塗る
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組み直す
※グリスは“多すぎてもダメ”。
爪の動きを邪魔して逆に空回りします。
② スプリング交換(可能なら)
スナップオン、KTCなどの一部上位モデルは
ギア・パウル・スプリングの リペアキット が販売されています。
数百円〜数千円で復活するケースも。
③ ギア摩耗は修理より買い替え
歯が削れて丸くなっていたら、修理しても短命です。
→ 買い替えた方が安上がり。
DIYなら
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KTC
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TONE
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SK11(予算抑えめ)
あたりが長持ちでおすすめ。
④ 固いボルトはブレーカーバーを使う
ラチェットの寿命を延ばす最大のコツ。
固いボルトを“緩める”作業はブレーカーバーで行う。
ラチェットは最後の回し作業だけに使う。
⑤ たまに軽いメンテをする
月1回、以下をするだけで寿命が伸びる:
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セレクター部に潤滑剤を1滴
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ギア付近のゴミ・サビ確認
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半年に1回、分解清掃
🔧 まとめ:空回りはほとんど復活できる!
ラチェットハンドルが空回りすると壊れたと思いがちですが、
原因の7割はグリス劣化・汚れ・スプリングの弱り です。
DIYでも分解清掃で復活することが多いので、
捨てる前に一度メンテしてみるのがおすすめ。
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