アース不良で起きる症状と原因、初心者でもできる切り分けと正しい対処法を解説。電装DIYで見落としがちなアース処理の基本を分かりやすくまとめました。
アース不良は「原因不明トラブル」の元凶になりやすい
電装系トラブルで非常に多いのがアース不良です。
- ライトが暗い・チラつく
- 電装品がたまに動かない
- エンジンをかけると症状が変わる
こうした症状は、
配線や部品が壊れているのではなく、アースが原因というケースが少なくありません。
特にDIYで電装品を追加した車ほど、
アース処理の甘さがトラブルにつながりやすいです。
そもそもアースとは何か?
車の電装は、
- プラス(+)から電気が流れ
- マイナス(−)として車体(ボディ)に戻る
という仕組みになっています。
この「電気の帰り道」がアースです。
アースが弱い・不安定だと、
電気が正常に戻れず、誤作動や電圧低下が起きます。
アース不良で起きる代表的なトラブル
| 症状 | 起きやすい場面 | 典型原因 |
|---|---|---|
| 電装品が不安定 | 走行中の振動 | 接触不良・共締め過多 |
| ライトが暗い | 夜間・雨天 | 電圧低下・細線 |
| 点滅・誤作動 | 始動直後 | 帰路不足 |
| ノイズ発生 | オーディオ使用時 | 不安定な電位 |
| 発熱・溶解 | 長時間使用 | 逃げ電流 |
② ライトが暗い・点滅する
- ヘッドライトが暗い
- ウインカーの点滅がおかしい
→ 電圧不足や電流の逃げ場不足が原因。
③ ノイズ・誤作動が発生する
- オーディオにノイズが入る
- メーター表示が不安定
→ 電気が不安定な経路を流れている状態です。
④ 最悪の場合は発熱・焼損
アースが弱いと、
本来流れない経路に電流が流れ、
- 配線の発熱
- コネクタ溶解
につながることもあります。
アース不良が起きやすい原因
- 塗装・サビの上からアースしている
- 細すぎるアース線を使っている
- 共締め箇所が多すぎる
- ボディの薄い鉄板に直接留めている
「ボルトが締まっている=アースOK」ではありません。
初心者でもできるアース不良の切り分け方法
方法① 仮アースで即判定(最短)
- バッテリー(−)→症状の出る機器へ仮配線
- 改善すれば元のアースが原因
方法② テスター測定(確実)
- ボディ↔バッテリー(−)の抵抗を測る
- 0Ωに近いほど良好、数Ω以上は要改善
方法③ 見た目チェック(見落とし防止)
- 塗装・サビの噛み込み
- 締結面の歪み
- 緩み止め未施工
方法② テスターで導通を確認する
- ボディとバッテリーマイナス間
- アースポイントとボディ間
を測定し、
抵抗値が大きい場合はNGです。
正しいアースの取り方(DIY向け)
- ボルトを外す
- 塗装・サビを剥がす
- 金属面を露出させる
- アース端子を確実に固定
- 防錆処理をする
※導通確保後に防錆するのがポイント。
絶対にやってはいけないNG例
❌ 塗装の上から共締め
❌ 細い配線で大電流機器を接続
❌ 適当な鉄板にビス止め
❌ 既存アースに無理やり追加
「とりあえず繋がってる」は危険です。
よくある質問(Q&A)
Q. ボディならどこでもアースしていい?
A. 基本はNG。厚みがあり、既存アースが集中している場所が安全です。
Q. アーシングキットは効果ある?
A. 不良を改善する効果はありますが、
正常な車で体感できる効果は限定的です。
5分でできるアース不良チェックリスト(実践)
次の項目を上から順に確認してください。
- バッテリーマイナス端子は確実に締結されている
- アースポイントは塗装・サビを除去して金属面が露出している
- アース線は機器に対して十分な太さがある
- 共締めが多すぎず、緩み止めがされている
- 仮アースで症状が改善するか確認した
2つ以上NGがあれば、アース不良の可能性が高いです。
まとめ|アースは電装トラブルの基本点検
アース不良は、
症状がバラバラで原因が分かりにくいのが特徴です。
- 不安定な動作
- 電圧低下
- ノイズ
こうした症状が出たら、
まずアースを疑うのが近道。
派手な部品交換の前に、
「正しいアース処理」を見直すだけで解決することも多いです。
電装DIYでは、
プラスよりアースを丁寧に。
これがトラブル回避の基本です。
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