レーキフルード交換はDIYで可能?初心者にとっての難易度や必要工具、失敗例、ABS車での注意点を徹底解説。プロに任せるべきケースや安全に作業するポイントもまとめました。
ブレーキフルード交換はDIYでやるべき?結論と理由
ブレーキフルード(ブレーキオイル)は、車の制動力を支える重要部品です。劣化すると沸点が下がり、ベーパーロックによる制動力低下など大きなトラブルにつながります。
では、この交換作業はDIYでやるべきなのか?
結論は次のとおりです。
-
工具が揃っていて、足回り整備の経験がある人ならDIY可能
-
初心者でも不可能ではないが、リスクが大きい
-
ABSの方式次第では“プロでしかエア抜きできない”車種もある
ブレーキ系は命に関わる部分なので、「なんとなく挑戦」はおすすめできません。
DIY難易度はどのくらい?(5段階評価)
| 作業内容 | 難易度 | 解説 |
|---|---|---|
| ブレーキパッド交換 | ★★★☆☆ | 比較的取り組みやすい |
| キャリパー清掃 | ★★★★☆ | 手順を覚えればOK |
| ブレーキフルード交換 | ★★★★★ | 最も危険でミスが致命的 |
ブレーキフルード交換は失敗すると、
-
エア噛みでブレーキが効かない
-
フルード漏れで制動不能
-
ABSユニット故障(修理10万円〜)
など、最悪は走行不能にもつながります。
DIYに必要な工具と費用
最低限必要なもの:
-
ブレーキ用ワンマンブリーダー(または二人作業)
-
メガネレンチ(ブリードニップル用)
-
ブレーキフルード(DOT3 / DOT4)
-
廃液入れ
-
耐油手袋
-
ウエス
-
ジャッキ・ウマなど足回り装備
さらにあると安全:
-
ニップルキャップ
-
ゴムホース
-
ラチェット一式
-
ブレーキクリーナー
工具代は1万〜2万円程度。
DIYで起こりがちな失敗とその危険性
❌ 1. エア噛みでブレーキがスカスカに
ブレーキラインに空気が入ると油圧が伝わらず、制動力ゼロに。
高速道路では非常に危険です。
❌ 2. ニップル破損・フルード漏れ
無理に緩めるとニップルが折れ、最悪は**キャリパー交換(1〜3万円)**に。
❌ 3. フルードがボディに付着して塗装が剥げる
ブレーキフルードは強力な溶剤。
DIY環境では飛び散り事故が多い部分です。
❌ 4. ABSユニットにエアが入る(最悪のパターン)
車種によっては診断機を使い、
-
ABSモード起動
-
ポンプ作動
などを行わないとエア抜きできません。
➡ このタイプはDIY不可。整備工場が必須。
❌ 5. ジャッキアップした状態での長時間作業の危険
焦ってホースを抜いたり、ニップルを折る事故が起こりやすい。
DIYでやるメリット
-
工賃を節約できる
プロ:5,000〜10,000円
DIY:フルード代だけ(1,000〜2,000円) -
ブレーキの仕組みが理解できる
-
自分の管理周期で交換できる
1年ごと / 2年ごと / 走行距離で管理が可能
プロに任せるべきケース
以下に該当する人はDIYよりプロ推奨:
-
パッド交換の経験がない
-
スライドピン整備をしたことがない
-
ワンマンブリーダー未経験
-
ABSユニットの方式が分からない
-
ジャッキアップに不安がある
-
時間がない・ミスが怖い
とくに最近の車はABSが複雑化しており、
「家庭環境で完全DIY」は難しくなっています。
DIYで行う場合の重要ポイント
1. リザーブタンクの液量を常にチェック
液量が減って空気を吸ったらその時点でアウト。
2. 降りないニップルは無理に回さない
折るとキャリパー交換レベル。
3. エア抜きの順番を守る
一般的には
右後 → 左後 → 右前 → 左前
ただし車種によって異なるため要確認。
4. 試走前に必ずペダルを踏む
スカスカのまま発進するのは危険。
5. 廃液は絶対に下水へ流さない
自治体のルールに従い処理する。
筆者の結論|初心者はまず別の整備から経験を積むべき
-
パッド交換が余裕でも、フルード交換は難易度が一段高い
-
ABS付き車はDIYでは完全にエアが抜けないケースもある
-
安全性を優先するなら、プロに任せたほうが確実
DIYでも可能ですが、初めて手を出す整備ではありません。
まずは
パッド交換 → スライドピン整備 → ローター点検
の順で経験を積むのがおすすめです。
DIYとプロ整備を賢く使い分けながら、安全に車を維持しましょう。
おすすめ
👉【DIY失敗談】ブレーキのエア抜きでペダルがスカスカになった話

