車のDIY整備で必ずと言っていいほど直面するのが、固着したボルトがどうしても回らない問題。
僕自身、過去にブレーキキャリパーのボルトが全く動かず、力任せに回そうとして工具を壊しかけたことがあります。
無理に力を入れると…
- 首下でボルトが折れる
- ネジ山が潰れる
- 工具が滑って怪我する
- サスペンションや足回り部品を破損する
など、重大トラブルにつながります。
この記事では、DIY初心者でも安全にできる 固着ボルトの正しい緩め方 を、失敗しない順番で解説します。
■ 1. いきなり力任せに回さない(最重要)
固着ボルトは、そのまま力でねじ伏せようとすると高確率でトラブルになります。
特に危ないのが…
- メガネレンチを全力で力任せに引っ張る
- 体重をかけて回そうとする
- パイプをかぶせて無理やり回す
一発で折れたりネジ山が死ぬこともあるので、まずは “固着をほぐす準備” が必要。
■ 2. 浸透潤滑剤(CRC・ラスペネ)を使う
固着ボルトを緩める基本は まず潤滑剤。
使う場所は…
- ネジの付け根(首の部分)
- ネジ穴に沿って全周
- ボルトの頭裏側に届くとなお良い
浸透させるコツ:
- たっぷり吹く
- 5〜20分ほど放置
- 少し回してまた吹く
時間をかけて染み込ませるのが重要です。
■ 3. ボルトを“回す”前に軽く叩く(ショックで固着を剥がす)
固着はサビや汚れが噛んでいる状態。
回すより先に、衝撃を与えて固着を剥がすのが効果的。
やり方:
- ハンマーでボルトの頭を軽くコンコン叩く
- 叩きながら潤滑剤を追加
衝撃でサビが割れ、浸透剤も入りやすくなります。
※ 強く叩くとネジ山を潰す可能性があるので “中くらいの力で小刻みに” がコツ。
■ 4. メガネレンチで「押す・引く」を小刻みに繰り返す
いきなり大きく回さない。
固着しているネジは、まず“微妙に動かす”ことが大切です。
- 回りそうな方向にほんの少しだけ押す
- 少し戻す
- また押す
- 少し戻す
この “前後に揺する動作” で、侵食したサビが剥がれて動き始めます。
“ガツン!” と回すより遥かに成功率が高い方法。
■ 5. ブレーカーバーでゆっくり力をかける
通常のラチェットは折れる危険があるので、固着ボルトにはブレーカーバーが必須。
- 30〜50cmの長いバーを使う
- ゆっくりと一定方向に力をかける
- 急に力をかけないのがポイント
「ギギ…」と動き始めたら成功!
無理に一気に回さず、少し動かしては戻すを繰り返すと安全です。
■ 6. ボルトを“少し締める方向”に回してみる
意外な裏技ですが効果は強烈。
固着ボルトは、回す方向にだけ力がかかると動かないことがあります。
そんな時は…
- 緩める前に、ほんの少し「締める」方向へ動かす
これによりサビの噛み合いがズレ、固着がほどけて緩めやすくなります。
特にサスペンション、マフラー、ブレーキ周りで効果あり。
■ 7. ネジ山に熱を加える(上級テク・自己責任)
固着がひどい場合、熱膨張を利用して緩める方法があります。
- ヒートガン(推奨)
- バーナー(樹脂やゴム付近は絶対NG)
部品を温めると金属が膨張し、ネジの固着が緩みます。
ただし注意:
- ガソリン・ブレーキホース付近は危険
- 周囲に樹脂パーツがあると溶ける
- マフラーなど高温に耐える部分は使いやすい
DIY初心者は安全を優先し、無理に使わなくてOK。
■ 8. どうしても無理なら“無理しない”
固着ボルトは、本当にどうにもならない場合もあります。
無理をすると…
- ボルト折れ
- スタッド折れ
- ネジ山喪失
- アームやハブを破損
- 工具破損やケガ
取り返しがつかないトラブルになるので、
「これは危ない」と感じたら専門店へ持ち込む判断も必要。
特に:
- ブレーキ周り
- 足回りのボルト
- エンジンマウント系
- サブフレーム
はトルクが高く固着もひどいため、無理は厳禁。
■ まとめ:固着ボルトは“準備”と“順番”で確実に緩む
固着ボルトを安全に緩めるポイントは、力ではなく“手順”です。
安全な手順まとめ
- いきなり力任せに回さない
- 浸透潤滑剤で時間をかけて染み込ませる
- ボルトを軽く叩いて固着を剥がす
- 小刻みに前後へ動かす
- ブレーカーバーでゆっくり力をかける
- 逆方向に少し回すテクニックを使う
- 必要なら熱を使う(上級者向け)
- 無理な場合は折る前に諦める勇気も必要
正しい手順を踏めば、固着ボルトはほとんどが安全に緩められます。
DIY整備は「力」ではなく、「知識」で勝つのがポイントです。
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