シートヒーターは座席から温める車の暖房器具です。
その温かさから、一度経験したら欠かすことができないとも言われています。実際にシートヒーターとはどのような物なのでしょうか?シートヒーターのメリットやデメリット、をみてみましょう。
車のシートヒーターとは
シートヒーターとは、車のシート(座席)にヒーターが取り付けてある暖房設備の事です。
いままで、車の暖房器具といえばエアコンが基本ですが、エアコンは温まるスピードが遅く、温風が当たらず寒いと感じる人もいました。そこで、エアコンだけはなく、「シート自体を(直接個人を)温めよう」という考えによって、シートヒーターが開発されたのです。
車のシートヒーターの仕組み
シートヒーターの仕組みは難しいものではありません。ただ単に、シートの中にヒーターの基となる電熱線が搭載されているだけです。
スイッチを押すことによって電熱線が発熱し、それによってシートが温まります。
火災の危険はないのでしょうか?
シートヒーターで一番気になることは、「シートが燃えないか」ということだと思います。電熱線が組み込まれているのなら、熱によって発火やシートが溶けてしまわないのかと疑問に思うことでしょう。
ですが、当然メーカーもそのことを想定しており、万が一にも問題が起きないよう、温度調節機能が搭載されています。何千、何万と実験と研究を重ね、事故ないよう試験されたシートヒーターは、メーカーが自信をもって送り出せる商品なのです。
シートヒーターのメリット①
すぐに温まる
シートヒーターの一番のメリットは、エアコンとは違い「すぐに温まる」ことです。エアコンは直接温めるのではなく、空気を入れ替えて温めます。
そのため、車内を温めるためにには少し時間がかかってしまいます。
寒いからといってエアコンを入れても、近場だったため車内が温まる前に到着してしまった、という経験をしたことがないでしょうか?ですが、シートヒーターはシートだけを温めますので、すぐに温まります。
物によっては約1分ほどで温まりますので、どこに出かけにしても寒い思いをしないですむことでしょう。
シートヒーターのメリット②
個別で温められる
シートヒーターは個別でスイッチを切り替えることができます。エアコンには「人によって体感温度が違う」という問題があります。運転手は寒くてエアコンを入れたけど、搭乗者は暑くてエアコンを入れてほしくない、というように、人によって暑さ寒さの感じ方は違うのです。
一方に合わせるともう一方は我慢するしかなく、快適な運転とはいかないでしょう。ですが、シートヒートなら個別で温められますので、そのような心配はありません。寒い人のみを温めることによって、搭乗者すべてが満足のいく環境になります。
後席におすシートヒーターは個別に温めることができますので、後席が寒い思いをしなくてすみます。エアコンは車内全体を温めてくれますが、一番温かい場所は、やはり温風が出る場所です。特に、運転席と助手席はエアコンの排出口があり、とても温かいです。
しかし、その一方で後席は、前のシートが邪魔で温風はあまりきません。その結果、前席よりも後席の方が寒いという事態になってしまうのです。温風がこなく寒い後席こそ、直接温めるシートヒーターがおすすめといえます。
シートヒーターのメリット③
窓を開けても温かい
エアコンのデメリットの一つに、「密室でしか使えない」ということがあります。エアコンは空気を温めますので、換気をすることによって温かい空気も換気してしまい、結果として寒くなってしまうのです。そのため、エアコンの使用中は車の窓を開けることができなくなってしまいます。
ですが、シートヒーターならそのような問題はありません。直接シートを温めますので、窓を開けてもシートは温かいままで、寒くはありません。車酔いやたばこの煙など、換気が必要な人におすすめの暖房器具といえます。
オープンカーにもおすすめ
オープンカーにシートヒーターを搭載すれば、冬でもオープンカーを乗り回すことができます。バイクに乗るのと同じように厚着をすれば、シートヒーターが当たらない前面も寒くはありません。
寒い冬でも開放的なドライブがしたいという傾奇者に、是非、シートヒーターをおすすめします。
シートヒーターのメリット④
エアコンとは違い乾燥しない
エアコンとは違い、乾燥しにくいのもシートヒーターの特徴です。ドライアイや乾燥肌など、エアコンによる乾燥を嫌う人は少なくないのではないでしょうか?そのような人でも、シートヒーターなら乾燥しにくく気軽に使うことができます。
シートヒーターのメリット⑤
体の中から温まる
シートヒーターは、体の中から温めます。シートヒーターに背中が触れることで、背中からじんわりと温めてくれるのです。感覚としては、湯たんぽやカイロなどと似たような感じでしょうか?じんわりとした温かさが、体の芯までゆっくりと温め、同時に心も和ませてくれます。
背中全体を温めることによって体全体が温かくなり、それによって、シートヒーターに当たらない前面まで温かく感じるのです。
腰痛・肩こりに効く?
じんわりした温かさは、時に腰痛や肩こりにも効果があります。凝り固まった筋肉や傷めた神経を温め、疲労や痛みを軽減してくれます。腰痛持ちの人は、シートの冷たさや同じ姿勢でいることで辛く感じる人もいることでしょう。
ですが、シートヒーターで温めれば、少しは痛みも緩和することができます。温泉やマッサージまでとはいきませんが、車に乗るだけで腰や肩を温めリラックスしてくれます。
シートヒーターのデメリット①
燃費に影響がある
シートヒーターの電源は車から摂取します。そのため、シートヒーターを使用することで、燃費がかかってしまいます。もちろん、莫大な燃費が必要というわけではありません。どちらかといえば燃費は微々たるものです。
ですが、エアコンとシートヒーターを同時に使用することで、燃費の消費も早くなってしまうことでしょう。エアコンとどちらが燃費が悪いかは車種や使い方にもよりますが、燃費を考えるのなら、どちらかだけにした方がいいです。
シートヒーターのデメリット②
低温火傷に注意
シートヒーターは火傷などの問題がないよう、十分に試験して商品化されています。そのため、滅多なことでは火傷や怪我の心配はありません。ですが、シートヒーターを長時間使い続けることで低温火傷になってしまうこともあります。
低温火傷とは火傷の一種で、「本来なら火傷しないような低い温度に、長時間触れることで火傷をする」症状の事です。本来なら火傷しない40~50℃程度の温度でも、長時間当たり続けることで皮下組織が発熱し、火傷と同じ症状をきたしてしまうのです。
長時間の使用は避ける
つまりは、火傷に注意したシートヒーターでも、長時間使用し続けることによって皮下組織が温められ、低温火傷をしてしまう可能性があるということです。
温度にもよりますが、低温火傷は約6時間程度で発症します。さすがにそれだけ長く使用する人はいないと思いますが、長時間の使用は避け、こまめに体を休ませることが必要になります。
車のシートヒーターのデメリット③
眠い・怠い
シートヒーターは、じんわり温め、心と体を癒してくれます。その温かさから、ついつい眠くなってしまうこ人もいることでしょう。
ですが、そのまま眠ってしまうと大変危険です。居眠り運転は大事故のもとですので、眠らないよう注意する必要があります。
特に、冬の朝は、寒いだけではなく眠くもあります。寒いからといってシートヒーターを入れると眠ってしまう可能性もありますので、起きている自信がない人は絶対にやめるようにしてください。
車のシートヒーターはシートカバーが使える?
シートヒーターを使用する際、「シートカバー越しに使用しては温まりが弱くなってしまうのでは?」と心配する人は少なからずいると思います。もし、効果が弱くなるようでは、シートカバーをあきらめる必要もあるからです。
ですが、実際にはシートカバーがあってもシートヒーターを使用することはできます。というよりも、シートヒーターにとっては「たかだか一枚布が増えた程度」でしかなく、有っても無くても、変わらない温かさを提供してくれます。
注意書きなどはよく読みましょう
ただ、注意書きには「シートヒーターの使用中に毛布などをかぶせると、熱がこもり故障の原因になる」と記載されています。シートカバーによっては同様の状態になることもありますので、長時間の使用はおすすめできません。長時間の使用は滅多に無いとは思いますが、長時間使用する際は、途中にシートヒーターを休憩させる必要があるでしょう。
車のシートヒーターの後付け方法
シートヒーターは、元々搭載しているだけではなく、後付けでも搭載することができます。後付けのタイプは2種類あり、手間や費用がそれぞれ違います。購入する際は、内装や使用方法などに合わせて選ぶようにしてください。
内部搭載タイプ
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内部搭載タイプは、シートの内部に入れるシートヒーターです。
物にもよりますが、一般的に座面と背もたれの2個セットが一般的になります。搭載の仕方は単純で、シートカバーを外して、シートカバーの内側に貼り付けるだけです。感覚としてはカイロを服の内側に貼るのと同じといえるでしょう。
ただ、電力は使い捨てではなく、シガーソケットから拝借します。物によってはバッテリーなどから拝借する場合もあり、供給方法は商品によって違います。そのままシートの上から貼っても使えますが、シートヒーターがむき出しでは見た目も悪いですので、シートカバーの内部にいれるのが一般的です。
メリット
シートの中に入れますのでシートヒーターがズレる心配がありません。また、一見して見えませんので、どの内装でも違和感なく使用することができます。後付けではありますが、元々の搭載型のように使用することができるでしょう。
デメリット
シートの内部に入れる都合上、搭載には手間が必要になります。場合によっては座席を外す必要や、配線なども難しいですので、慣れていない初心者は業者などのプロに任せた方がいいかもしれません。
また、シガーソケットからの供給の場合、配線が邪魔になりやすいです。
特に後席は距離もあり、おすすめはできません。後席に使用する際は、シガーソケット以外の座席の下を通せるタイプが良いでしょう。他にも、内部に入れますので入れ替えがしにくいです。入れっぱなしでも構いませんが、買い替えの際は注意してください。
カバータイプ
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シートタイプは、シート全体を覆う後付けのシートヒーターです。座席から背面まで一体となっているものが多く、タオルなどを敷くようにして使用します。立てかけるだけの座椅子のようなシートヒーターもありますが、多くはヘッドレスト、あるいは腰の部分から固定するためズレる心配はありません。貼り付けタイプ同様にシガーソケットから電力を供給します。
メリット
カバーシートの上から取り付けますので、後付けがしやすいタイプです。値段も比較的安価な物が多く、「とりあえず」と考えている初心者におすすめしやすいタイプといえるでしょう。また、物によってはファンによる冷却機能もあり、夏場でも使用することができます。外付けだからこそ、色々と機能を期待することができるのです。
デメリット
簡単に後付けできる都合上、電源のほとんどがシガーソケットで、配線が邪魔になりやすいです。また、シートカバーの上に取り付けますので、車の内装に影響が出てしまいます。実用的な人なら気にしないかもしれませんが、人によっては内装にあう物を選ぶ必要がります。
まとめ
すぐに温まるシートヒーターは、寒い冬にうってつけの暖房器具です。特に、近場へのドライブにとても助かります。エアコンでは温まる前についてしまう距離も、シートヒーターならすぐに温めてくれるでしょう。
近年、温度の変化が激しくなっています。温暖化によって最高気温が上がる中、冬場の気温も低下しつつあります。
寒さに負けないためにも、是非、シートヒーターを検討してみてください。一度使えば、その温かさがきっと病みつきになるはずです。