走行中に「バチッ!」という音が聞こえたと思ったら、フロントガラスに傷がついていた、という経験は多くの方にあると思います。
飛び石によるフロントガラスの傷は、大小さまざま。ボディならタッチアップやボディリペアで直すことができますが、ガラスの場合はどう対処したら良いのでしょうか?
フロントガラス(合わせガラス)
この合わせガラスには、2枚のガラスの間に「可塑(かそ)化ポリビニールブチラール」という樹脂でできた中間膜を挟み込んだ、3層構造になっています。
この構造は、飛び石の衝突程度なら小さな亀裂が入るだけで、破片が飛び散ったりすることはないため、視界を確保でき、運転を続けることができます。
また、事故によって身体がフロントガラスにぶつかった際、中間膜が衝突の衝撃を緩和・吸収してくれるので、安全性も確保されています。
合わせガラスを自動車のフロントガラスに使用することは、法律で義務付けられています。
フロントガラスに飛び石などが当たってしまったら、一度、安全な場所にクルマを停車して、傷の場所や大きさを確認しましょう。
高速道路を走行中のときは、サービスエリアまで走行して、駐車場で確認します。
大きく亀裂が広がっているようであれば、無理に運転してはいけません。
ロードサービス等を利用しましょう。
飛び石の小さな傷なら、リペア(補修)が可能です。リペアで対応できる傷の大きさは、2cm未満と言われています。
また、ガラスの端から10〜20cmほど離れている必要があります。ガラスの端に近い場所では、走行中の振動の影響で亀裂が広がってしまう可能性が高いからです。
しかし、1cm以下の小さな亀裂であっても、走行時の風圧と振動によって、亀裂が育ってしまうことがあります。
亀裂が大きくなると補修はできず、フロントガラスを交換することになります。さらに外気の温度変化でも、亀裂が育ってしまうこともあるため、小さな傷だからといって、そのまま放置するのは禁物です。
大きな亀裂、自分でも修理できる?
自分で補修するリペアキットは、数千円で入手できますが、綺麗に仕上げるには相当な練習が必要です。
プロのリペア施工は、業者によって方法が異なりますが、例えば、専門のツールを使い、フロントガラスの中間膜に入ってしまった空気を抜きながら補修剤を注入するという方法があります。
この場合、価格は工賃込みで1万5千円程度が多いようですが、フロントガラスを全面交換するとなると10万円程度の費用がかかりますから、補修可能な傷であれば、こちらを利用されるといいでしょう。
前述したように、走行中の風圧や振動、外気の温度変化で、育ってしまう可能性のある傷は、できるだけ早くリペアをすることが得策です。
しかし、なんらかの事情ですぐに修理できない、業者に持っていくことができないという場合は、市販の「応急処置シール」の使用をお勧めします。
飛び石の被害は、路面にあった石を前走車のタイヤが跳ね上げるほか、トラックのダブルタイヤの間に挟まっていた小石が飛んできたり、冬場なら走行中に凍った雪の塊が屋根やクルマの下回りから飛んでくるなど、さまざまなパターンがありますが、なかでも注意したいのは砕石を積んだダンプの後方を走っている場合です。
砕石を運搬しているダンプは、平らな道路では、それほど大きなリスクをもたらすことはありませんが、路面の凸凹やカーブを曲がるときに、荷台からパラパラと小石を落とします。
その小石は路面で跳ね上がり、そのタイミングで通過するとボンネットやガラスに直撃します。このようにトラックやダンプの後ろを走る場合は、とくに注意が必要です。
まとめ
万が一、飛び石によってフロントガラスに傷が付いてしまったら、放置せずに早めに処置をしましょう。