パワステがないとどうなる?
パワステ故障の対処法
ハンドルの操舵をアシストするパワーステアリング(パワステ)は、今では付いていることが当たり前の装備で、ステアリング径の設計もパワステ装備を前提になっています。
そのため、なんらかの理由でパワステが壊れると、ハンドルを回すことができなくなります。
ここでは、パワステがないと具体的にどうなるのか、そしてパワステ故障の際の対処法についてみていきましょう。
パワーステアリングの故障の原因
- パワーステアリングポンプの故障: パワーステアリングポンプは、油圧を利用してハンドルを回す際の力を補助します。ポンプ自体の故障や油圧の問題があると、ステアリングが重くなったり操作が不安定になったりする可能性があります。
- ベルトの緩みまたは切れ: パワーステアリングポンプを駆動するベルトが緩んだり切れたりすると、ポンプが正常に機能せず、ステアリングの操作が困難になります。
- パワーステアリングフルードの漏れ: パワーステアリングフルードが漏れると、ポンプに適切な油圧が供給されず、ステアリングが重くなります。漏れは、ホースやシール、またはポンプ自体の故障によって引き起こされることがあります。
- パワーステアリングラックの故障: パワーステアリングラックに問題がある場合、ステアリングが不安定になったり、異音が発生したりすることがあります。ラックの内部に損傷や異物が入り込んだり、歯車が摩耗したりすることが原因です。
パワステの油圧式と電動式
ポンプを作動させ、油圧を発生させてハンドルの操舵力をアシストするのが油圧式、モーターの力を使って操舵力をアシストするのが電動式で、電動式にはアシストを行なう場所によって、ラックアシスト、ピニオンアシスト、コラムアシストに分けられます。
1950年代に一般化された油圧パワステは、操舵フィーリングが自然でインフォメーションが得られることが特徴ですが、エンジンの力を使ってポンプを駆動するため、燃費に悪影響があります。
対して電動パワステは、2000年以降に普及した技術で、エンジンの力を利用することがないので燃費にも影響がありません。ただしモーターによるアシストは、操舵フィーリングが不自然になってしまうという欠点があります。
とはいえ、操舵フィーリングの問題は年々解消され、現在はエコな電動パワステが主流となり、小型車から大型車まで採用されるようになりました。
現代の新型車であれば、通常、パワステの故障に見舞われることはまずありません。
運転中にハンドル操作が重くなる多くの原因は、フロントタイヤのパンクです。
パワステが故障すると、メーター内にかならず警告灯が点灯します。
ハンドルが少し重いなと思うくらいでは、パワステの故障ではないケースが多く、とんでもなくハンドルが重くなったら、故障を疑いましょう。
パワステが故障するとどうなるか
パワステが故障すると、ハンドル操作に相当な力が必要になります。
男性でも、両手で回してやっと動くといった程度でかなり苦労します。
僕の愛車はスーパーの駐車場でパワステが故障した為、車庫入れのように大きく何度もハンドルを切るような動作はとても大変でした。
パワステなしの時代からクルマの運転をしていた方のなかには、パワステがあっても内掛けハンドルを使っている方がいますが、パワステなしを体験すると、内掛けハンドルをやりたくなる気持ちがわかるようになります。
まとめ
もしもパワステがなければ、カーブや曲がり角で切り遅れが発生したり、車庫入れで苦労するでしょう。
パワステは、普段、何気なくその恩恵を受けている機構のひとつでで、安全な運転操作にとても大きな役割をはたしています。
それだけに、トラブルが発生すると、クルマを動かすことが難しくなります。
普段から、ハンドル操作の際に異音や振動が発生していないか注意して、もしもそれらトラブルの予兆があったら、すぐにディーラーなどで点検を受けましょう。