クルマ好きなら一度は考える「ホイールのインチアップ」。見た目がスポーティになるのはもちろん、走行性能にも影響を与えるカスタムです。ただしメリットばかりではなく、デメリットも存在します。この記事では、インチアップの基本からメリット・デメリット、注意点まで整理して解説します。
インチアップとは?
インチアップとは、ホイールの直径を大きくして、タイヤの扁平率(タイヤの高さ/幅の比率)を下げることを指します。
例えば、純正が15インチの車に17インチホイールを装着するといった具合です。ポイントは「タイヤの外径は大きく変えない」こと。外径が変わるとスピードメーターに誤差が出てしまい、車検や法規に適合しなくなる可能性があります。
インチアップのメリット
1. 見た目がスポーティになる
もっとも大きなメリットは「見た目」です。ホイールが大きくなることで存在感が増し、タイヤの厚みも薄くなるため、スタイリッシュでスポーティな印象になります。ドレスアップ目的でインチアップする人が多いのも納得です。
2. コーナリング性能の向上
扁平タイヤはサイドウォールが薄く、タイヤのたわみが少なくなるため、ハンドル操作に対する応答性が良くなります。結果としてコーナリング時の安定感が増し、スポーツ走行を好む人にとっては大きな魅力です。
3. ブレーキ性能が安定しやすい
接地面が広くなることで、制動時のグリップが向上しやすくなります。特に急ブレーキや高速道路での減速時に安定感を感じられることがあります。
インチアップのデメリット
1. 乗り心地が悪くなる
タイヤのゴム部分が薄くなるため、路面からの突き上げをダイレクトに感じやすくなります。段差や舗装の荒れた道では不快感が増すこともあります。
2. ロードノイズの増加
扁平タイヤは接地面積が広く、硬さもあるため、走行中のノイズが大きくなりやすいです。静粛性を重視する方には気になる点です。
3. 燃費の悪化
ホイール自体が大きく重くなるほか、タイヤの転がり抵抗も増えるため、燃費が悪化する傾向があります。わずかな差ですが、長距離を走る方には無視できないデメリットです。

4. タイヤ・ホイール代が高い
扁平率の低いタイヤは価格が高めで、交換コストが純正サイズよりも上がります。さらにホイールも大径になるほど高額になるため、維持費も考慮が必要です。
5. ハンドルが取られやすい
轍(わだち)や段差の影響を受けやすくなり、直進安定性が悪化することがあります。特に高速道路ではハンドル操作に気を使う場面が増えるでしょう。
インチアップするときの注意点
- 外径は純正とほぼ同じにする
スピードメーターの誤差や車検適合に関わるため、外径は純正サイズを基準に調整することが重要です。 - インセット(オフセット)の確認
ホイールのオフセットが適正でないと、タイヤがフェンダーからはみ出したり、サスペンションやブレーキに干渉したりします。必ず適合サイズを確認しましょう。 - 車の用途に合わせて選ぶ
街乗り中心なら過度なインチアップは不要です。快適性を重視するなら控えめに、走行性能を重視するならスポーティ寄りにと、バランスを考えて選ぶのがベストです。 - 保険・保証の確認
車両保険やディーラー保証がインチアップによって制限される場合があります。事前に確認しておくと安心です。
まとめ
インチアップは「見た目のスタイルアップ」や「走行性能の向上」といった大きなメリットがありますが、同時に「乗り心地の悪化」や「維持費の増加」といったデメリットも伴います。
結論としては、自分が車に求めるものに合わせてサイズを選ぶことが大切です。ドレスアップを優先するのか、快適性を重視するのか、そのバランスを考えて決めると失敗が少なくなります。
ホイール交換を検討している方は、メリットとデメリットをしっかり理解したうえで、自分に合ったインチアップを選びましょう。
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