サスペンション交換で必ず登場する工具「スプリングコンプレッサー」。
しかし、DIY整備の中でも トップクラスに危険な作業 と言われています。
この記事では、実際に起こり得る事故と、絶対に守るべき安全ルールをまとめます。
🔥 スプリングコンプレッサーが危険な理由
① バネの力が桁違いに強い(数百kgクラス)
車のコイルスプリングは、見た目以上の強力な力を蓄えています。
圧縮した状態で外れれば、
鉄の塊が高速で飛ぶ → 人に当たれば即重症。
実際、指が吹き飛んだり顔面に当たって大ケガした事故もある。
② 安物コンプレッサーは“ねじれ・破損”が起こりやすい
Amazonやホームセンターにある
3,000~5,000円の「クランプ式」は非常に危険。
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爪がズレる
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ネジが曲がる
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爪が外れる
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バネが飛ぶ
これが起きやすい構造になっている。
👉 安い工具は命を預けるには危険。
ナットがグニッと曲がるだけで終わらない。バネが飛ぶ。
③ 左右の力が均等にかかっていないとバネが“せり出す”
スプリングは完全に均等に縮めないと、
片側がねじれて外方向に力が逃げようとする。
この状態で爪が外れると、
手のひらサイズのミサイル になる。
④ スプリングが長く、爪がかかりにくい車種もある
ミニバン・SUVの長いコイルスプリングは
クランプ式だと爪が浅くなるので非常に危険。
⚠️ 実際に起きやすい事故例
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爪が外れてスプリングが飛び、壁に穴が開いた
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コンプレッサーのネジが折れ、顔面に直撃
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片側だけ縮んでスプリングがねじれる
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ストラットが急に縮んで指が挟まる
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作業中にスプリングが横にはじけ飛ぶ
「慣れてる人でもヒヤッとする」のはこのため。
🔧 【重要】安全なスプリングコンプレッサーの使い方
① クランプ式ではなく“ストラット型(アーチ式)”が理想
最も安全なのは
ストラットを丸ごと固定できるフレーム式。
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爪が外れにくい
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力が均等
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上下の保持力が強い
レンタル工具店や整備工場で借りるのも手。
② クランプ式を使う場合の絶対ルール
✔ 爪は最低でも2か所 × 反対側 = 計4か所
2本だけは絶対NG。
✔ 爪はスプリングの“中心線”を狙う
斜めにかけるのは危険。
✔ ネジを少しずつ左右均等に締める
片側だけ縮めるとねじれが発生。
✔ 毎回、締めるたびに爪の噛み込みを目視確認
1mmズレただけで危険。
✔ ラチェットではなく“メガネレンチ”を使う
急激に力がかかりにくい。
③ 作業する向きを間違えない
スプリングとコンプレッサーの“正面”には絶対立たない。
もし飛んだら正面に飛ぶため、
横方向に立つのが鉄則。
④ ウマ・輪止め・照明・手袋など環境を整える
足場が悪い状態で力を入れるのは危険。
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暗い場所 → 確認不足
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斜面 → バランス悪化
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素手 → 爪に挟まる
DIYでも整備環境は命に関わる。
👍 安全に作業するためのポイントまとめ
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できれば フレーム式コンプレッサー を借りる
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安物クランプ式は“自己責任”レベルで危険
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爪は深く確実にかける
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左右均等に縮める
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正面に立たない
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途中で力の入り方が変だと感じたら中断する
✨ まとめ
スプリングコンプレッサーは、DIY整備の中でも最も危険な工具のひとつです。
正しい使い方を知れば安全に作業できますが、
間違えれば 大事故につながるレベルの工具 です。

