雨の日の視界の確保に大切なワイパー。
ワイパーゴムが劣化していると、スジが出来たり拭き残しが出たりし、良好な視界が確保されません。
雨や雪でワイパー使用頻度の多い日本では、ワイパーのメンテナンスは大切です。
今回は、簡単に出来るワイパー交換の方法や、ワイパーゴムの交換頻度などを解説します。
ワイパー交換の方法
ワイパーの形状の種類を確認しよう
トーナメントワイパー
大きなフレーム1つと、小さなフレームを複数組み合わせ、トーナメント表のような形状をしており、曲面が多いガラスの拭き取り能力が高いワイパー。廉価モデルを中心に、もっとも多くの車種で採用されているワイパーです。
フラットワイパー
ワイパーゴムとブレード(フレーム)が一体化したタイプ。ガラス面に均一な圧力をかけることが出来、拭き取り能力が高く、エアロデザインで空気抵抗を発生させて高速走行での浮きを抑制するワイパー。ワイパーゴムのみの交換ができないタイプもあるため確認が必要。
デザインワイパー
トーナメントワイパーとフラットワイパーのいいとこ取りしたワイパー。ワイパーブレードが樹脂で覆われたエアロフォルムで人気の高いワイパー。一般的なトーナメントワイパーからエアロフォルムのワイパーに取り換えたい場合に、ワイパーの交換方法を知ることで、費用をかけずに自力で交換可能です。
ワイパーブレードの交換を自分で行う方法
※ワイパーの詳しい交換手順や適合する商品は、事前に取扱説明書を見て確認しましょう。方法を間違えるとパーツの破損や走行中の脱落の可能性があるので十分にご注意ください。
・フロントガラスのワイパーアームとワイパーブレードの取り付け部分の位置に厚手に折り畳んだクロスを置きます。
・ワイパーを立てます。ワイパーアームとワイパーブレードの取り付け部分の裏側に、小さなスイッチ状の部分がありますので、そのスイッチを押しながらゆっくり下方向にスライドさせることにより、ワイパーブレードを外すことができます。
・ワイパーブレードを取り外したら、一旦ワイパーアームを戻し、最初に用意したクロスの上に置きます。ワイパーアームを立てたままにしておくと倒れた際にフロントガラスを割ったり傷つけたりする恐れがあります。そのため最初にクロスを用意するのです。
・新しく取り付けるワイパーブレードが用意できたら、ワイパーアームを立てて、外した時と逆の動きで上にスライドさせて「カチッ」と音がするまで差し込みます。取り付けの際にはスイッチ状の部分には触れないでそのまま装着します。
ワイパーゴムの交換方法
ワイパーを立てた時に、下に位置するワイパーゴム部分にワイパーゴムをロックしている溝部分があります。ロック溝のある部分の先端を強く引っ張ることで、ワイパーゴムを抜くことができます。
車種によっては、ロックの溝部分の位置や構造が違う車種もあります。ワイパーゴム交換の際には、ディーラーやカーショップに適合を確認するか、ブレードをエアロフォルムワイパーに交換するのもよい方法です。
ワイパーゴムを取り外したら、ワイパーゴムの左右のレール溝とは異なる溝に、プレート状のスプリングが入っています。
ワイパーゴムの張りとしなやかさをキープするための背骨のようなパーツです。新しく購入したワイパーゴムに付属していれば処分して構いませんが、付属していないワイパーゴムもありますので、古いワイパーゴムから移植しましょう。
プレート状のスプリングには向きが決まっている場合があります。ガラス面に向かって弧を描く形状になっていますので、取り付けられていた向きをよく覚えておき、向きを間違えないようにしなければなりません。
金属の先の部分が、ワイパーゴムの先の部分にうまく収まらない場合には、ゴム先端を軽く引っ張るとゴムが伸びてすっきり収まります。
金属のプレートがセットできたら、ワイパーブレードにワイパーゴムを取りつけます。抜き取ったサイト逆の手順で、ワイパーゴムの先端が細い方から爪をレールに通します。この際に、ロックの部分が必ずワイパーを立てた際に下の位置にくるように、向きに注意して通します。
新しいワイパーゴムは柔らかいため、溝に爪が入らずに、ゴムを噛んでしまう場合がありますので通した際には、すべての爪の部分を確認しましょう。
ワイパーゴムをレールに通したら、ワイパーゴムをロックする溝に最後の爪を押し込んで完了です。
ワイパーゴム選びはグラファイトゴムに軍配
フロンガラスに撥水加工が施されている場合には、ガラスコーティング剤は水分を強制的に排除するため、ワイパーが作動すると乾拭き状態に近くなります。ガラスとワイパーの摩擦が大きければ、「ビビリ」の発生や、コーティングの被膜も剥がれやすくなります。
グラファイト(炭素微粒子)ワイパーは、摩擦抵抗が非常に小さい炭素微粒子をワイパーラバー表面にコーティングしています。ガラスとの摩擦抵抗を小さくすることで、滑らかな動きを実現し、コーティング被膜の保護にもなります。
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ワイパー交換の費用はどれくらい?
ワイパー交換を自力で行う場合の費用
ワイパー交換を自力で行う場合は、工賃はかかりません。交換するワイパーブレードやワイパーゴムの部品代のみです。
ワイパーブレードやワイパーゴムは、車種によって長さや形状が異なりますので、適合表などをチェックしながら自分の車種に適合したワイパーを選ぶことが大切です。
エアロフォルムタイプのワイパーブレードを選択した場合には、左右セットで3,000円前後、ワイパーゴムのみなら左右セットで1,000円前後から購入可能です。
イエローハットやオートバックスなどカー用品店やホームセンター、インターネットショップで購入できます。
カー用品店やガソリンスタンド、ディーラーでワイパー交換する場合の費用
ワイパー交換をショップに依頼する場合には、ワイパーブレードやワイパーゴムの部品代の他に、工賃が発生します。
大手カー用品店の場合は、ワイパーブレード交換で200円~、ワイパーゴム交換で300円~。一方ガソリンスタンドの例では、ワイパーブレード交換は無料、ワイパーゴム交換で500円程度の場合が多いようです。
ディーラーの場合には、フロントワイパーブレード2本で4,000円~、フロントワイパーゴム2本で2,000円~が目安です。部品代を差し引くとワイパー1本あたりの工賃は約500円の計算になります。
ワイパー関連の取付工賃は比較的安価ですが、ワイパーブレードの取り外し方法やワイパーゴムの交換は、工具を一切必要としない簡単な作業ですので、部品のみ購入して自分で交換することをおすすめします。
ワイパー交換の頻度はどれくらい?
ワイパーブレードは、ウインターブレードへの交換や、エアロフォルムワイパーなどドレスアップ目的での交換以外は、錆びてボロボロになったりしない限り、定期的に交換する必要はありません。
ワイパーゴムの寿命は1年と言われています。
拭き跡にスジが出てきたり、ワイパーゴムが切れたりしていない場合でも、1年に一度交換することが安心につながります。
新車ならメンテナンス契約でワイパーゴム交換を気にせずOK
新車購入時に、メンテナンスパスポートなどの名称で車検までの法定点検や、オイル交換など、お得な価格でメンテナンス契約を行う商品があります。
ワイパーゴムは1年に1度交換することになっていますので、ワイパーゴムは定期的に交換(メーカー販売店により異なる場合がありますので要確認)されます。
車庫保管で走行距離が少なくワイパーの劣化が感じられない場合には、ワイパーゴムを現物支給してもらい、劣化した場合に自分で交換することも可能な場合があります。
ワイパー交換が必要な理由
日光や紫外線、花粉などの付着でゴムが劣化するから
ワイパーはゴム製のため、紫外線や花粉などの付着で自然に劣化します。また、使用によるガラス面との摩擦でワイパーゴムが少しずつ擦り減ります。
擦り減ることにより、拭き取りが悪くなるなどの不具合が生じます。ワイパーゴムの劣化が進むと、ワイパーゴムの先が切れてきたりします。ワイパーゴムは定期的な交換が必要です。
積雪地域ではウインターブレードに交換
ワイパーは、フロントガラスに密着させるため、しなやかな動きが出来る構造になっています。積雪地域では、気温が低く雪や氷がワイパーに着くことで凍ってしまい、しなやかな動きで出来なくなります。
氷点下でもしなかやな動きをキープするために、ワイパーアーム部分がゴムで覆われたウインターブレードがあります。ウインターブレードを使用する場合にもワイパー交換が必要です。
ワイパー交換のサイン
ワイパーは、以下のいずれかの症状が出たらすぐに交換しましょう。
・拭き残しや筋が残るようになってきた。
・雨の日や、ウォッシャー液を噴霧して作動させた時に異音がするようになった。
・ワイパーのゴム先端が切れている。
ワイパー作動時に注意しなければならないポイントは、乾拭きしないことです。ワイパーゴムの劣化よりも、フロントガラスに付着したホコリや砂等でガラスに傷をつけてしまう恐れがあります。
ほとんどの車種ではウォッシャー液を出そうとしても、ウォッシャー液が噴霧されるのと同時にワイパーが動き出してしまい、ワイパーだけで乾拭きしてしまう場合があります。
乾拭きを防ぐために、初めはホースやジョウロ、ペットボトル等を使いガラスに水をかけておくのが理想です。
ワイパーゴムを長持ちさせる秘訣
以下の4つを守れば、ワイパーゴムの劣化を抑えることができます。経年劣化は不可避とはいえ、それ以上に短いスパンで交換するのは億劫なもの。少しでも長持ちするように、以下の方法を試してみましょう。
ガラス表面の汚れをワイパーで無理に落とそうとしない
・フロントガラスのホコリや鳥の糞は、ワイパーを使用する前に洗い流しましょう。
・ガラスコーティングを行い、ガラス面の汚れが落ちやすくするのも有効です。
ガラス表面にワイパーが張り付いたまま使用しない
・乗車前に手でワイパーアームを軽く持ち上げて、張り付いていないか確認しましょう。
・夏場の炎天下など、ワイパーゴムがガラス面に張り付いている場合があります。その際は水をかけると剥がれます。
・冬期に凍って張り付く場合もあります。その際はデフロスターで解凍するか、ぬるま湯で解かしてから使用しましょう。また凍結が予想される際には、ワイパーアームを立てて駐車しましょう。
※凍りついたワイパーを解かす際、熱湯をかけるとガラスが割れる可能性があるので絶対にやめましょう。
まとめ
ワイパーのブレードとゴム、どちらがダメになっても雨などの視界不良につながり
安全な走行に支障が出る可能性がありますので早めの交換をおススメします。