ポジションランプとは?車検で気になる違反にならない明るさや色を解説!
スモールランプ、車幅灯とも呼ばれる車のポジションランプは保安基準の範囲内であればLED化など気軽に愛車をカスタマイズできるパーツでもあります。
車検で違反にならない明るさや色、ポジションランプLED化の注意点なども見ていきましょう。
夜間などに周囲にその車の存在やおおよその車幅を知らせるポジションランプ(車幅灯、スモールランプ)、は灯火類の中でも比較的安価で、また交換も家の電球を交換するような気軽さで付け替えることができるパーツです。
僕も変えてます。
ポジションランプにも保安基準があります。
それだけにポジションランプのLED化はドレスアップやカスタムのための愛車いじりの初歩でもあります。
でも超高輝度とか爆光とか、青色など色合いまで、どこまでが違反ではなく車検にとおる範囲なのか、保安基準はどうなっているのか気になりますよね。
ポジションランプの保安基準
スモールランプ、車幅灯とも呼ばれるポジションランプ
ポジションランプの定義・役割
ポジションランプは日本では車幅等、あるいはカタカナでスモールランプと呼ばれる自動車の灯火器(ライト類)の一種で、文字通り、夜、暗い場所などでその車の幅を他車や歩行者などに知らせるための灯火器です。
保安基準とは?
当然、他の灯火器類同様にどの位の明るさとか、何色という指定があり、詳細については「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第123条、車幅灯」の項で定めています。車検への適合、違反である、違反ではないというのはこの保安基準によります。
スモールランプとも呼ばれていますね。
またポジションランプというのも英語としても正しいのですが、一番広く使われている呼び方がスモールランプでもあります。日本独特の表現と言っていいと思います。
電球も、ワット数も小さい、スモールなランプなので横文字としても簡単なこともあり、”スモール”、”スモールランプ”が定番と言っていいでしょう。
一般的にはあまり使われない”車幅灯”という表現
保安基準で言うところの”車幅灯”という言い方は現在、一般ドライバーの間、特に若い世代のドライバーでははっきり言って死語です。「車幅灯が切れてる」というような言い方は通じない人もいます。
車検にとおる明るさは?
LEDだからといって爆光である必要はないです。
ポジションランプの明るさは5ワット以上30ワットまで
同保安基準の第123条、車幅灯の項によりますと、ポジションランプの明るさは、夜間に約300m先から点灯が視認できるもので、その照射光線は光軸が高かったり、眩しすぎるなど他の交通の邪魔にならないものとされています。
具体的には、5ワット以上で照明部の大きさが15㎠以上、平成18年以降製造の自動車は5ワット以上30ワットまでと定められています。
照明部の大きさまで決まっている
保安基準では、照明部の大きさ(面積)まで決まっていて、その大きさが15㎠以上となっています。こういう一般には知られていない照明部の大きさの規定もあって、ほとんどの車ではヘッドライトのレンズ(ユニット)内にポジションランプも入っているというわけです。裸電球ではだめなのです。
眩しすぎるのもご法度(違反)
保安基準第218条”その他の灯火等の制限”において、明るさは300カンデラ以下となっており、車幅灯もこれに当たります。この300カンデラ(cd)を超える明るさポジションランプ及びその他の灯火は違反となり、車検には通りません。
違法改造は懲役・罰金も
よほど目立つほどの違反でないと走行中に警察に捕まることはないようですが、当然、違法改造となった場合、道路運送車両法により6か月以下の懲役や30万円以下の罰金もありますのでご注意を。多くの場合、車検時に改造パーツを純正や適合パーツに戻すことで済むというレベルのようです。
車検にとおる色は?
少し青味のあるきれいな白色
ポジションランプの色は原則 白色(ホワイト)
さらに、保安基準によるとポジションランプの発光色についてはH18年以降生産車は原則、白色(ホワイト)となっています。
ただし、方向指示器(ウィンカー)、非常点滅表示灯(ハザードランプ)と構造上一体となっていたり、兼用のものであれば橙色(オレンジ)でもよいとされています。H18年以前の車は白、黄、橙のいずれかとなっています。
青のポジションランプは違反なのか
青のみでなく、LEDの発光色は様々ですが、H18年以降の車でいいますと、ポジションランプを交換する場合、ハロゲンであれ、LEDであれ、保安基準でいう白色の範囲に入っていることが重要です。
つまり、ハザードやウィンカーと兼用のポジションランプ以外は、青であれ他の色であれ、車検で白色の範囲に入らないと断定されればアウトなのです。
純正のハロゲンランプも車検適合の白色
最近、純正灯火器のLED化が進んでいますが、まだまだハロゲンランプの純正灯火器も多いのが現状です。
そこで、「純正のハロゲンって黄色っぽいし、暗いよね」とみんな思うわけですが、そもそもあのハロゲンの色は当然、車検に適合する白色の範囲内なのです。白色の範囲が結構広いことがわかりますね。
その他
LEDポジションランプ消灯時アップ画像
ポジションランプの点灯は広い範囲から見えること
ポジションランプの点灯はポジションランプの正面上下15度から見えること、内側45度、外側80度の角度から見えることとなっており、広範囲から見えることが前提となっています。
これに関しては、ポジションランプをLEDに交換したからといって、これらの角度から見えなくなることはまずないと思われます。
ポジションランプは他の灯火器と連動
運転している時を思い出してみると、多くの車では、スイッチを一段階ひねるとポジションランプ(車幅灯)が点灯しますが、ヘッドライトのロービーム、ハイビーム、フォグランプを点けても同時に点灯するようになっています。
これも保安基準によって定められていますので、勝手に連動を切ってしまったり、違う配線からポジションランプをつなげて独立して点灯するようにしても違反となります。
ポジションランプのLED化の注意点①色温度(ケルビン)
LEDランプは色温度を目安に買いましょう
車のライト類を選ぶときに重要な項目の一つが色温度を表す単位、ケルビンです。みなさんは炎の色は何色が温度が高いかご存知だと思います。
赤の温度は低く、白、青と温度が高くなります。純正の黄味がかったハロゲンからほんのり青い白まで、車検で適合する白色はおよそ3000K~6500Kぐらいまでが目安です。
保安基準の範囲でお好みの色合いに
ポジションランプをLED化するのにわざわざハロゲンに近い3000~4000Kの黄色っぽいLEDを買う人は少ないのですが、”優しい色がいい”という人もいます。
5500K前後のきれいな白色か6500Kまでの少し青みがかった白色をお好みや、ヘッドライトの色味と合わせて替えるのがおすすめです。 ※K=ケルビン
ポジションランプLED化事例
ちなみに筆者もポジション、ブレーキとテール(尾灯)、ナンバープレート灯、ルームランプはLED化済みです。
HIDヘッドライト(ロー・ハイ)はほぼ真っ白と言える5500K、ハロゲンから交換したLEDポジション球は約6000Kと少し青味のある白色にしています。
サイズとソケット
差し込むだけの簡単装着!T10サイズのウェッジ型
LED電球の規格とサイズ
国産車の場合、多くはポジションランプ、ブレーキランプ、テールランプ(尾灯)、ウィンカーなどのヘッドライトやフォグランプ以外の灯火類はウェッジ(くさび)と呼ばれるソケットへの差し込み部分が平たいもので”T”のアルファベットで表されます。
ポジションランプの多くはT10サイズ
ポジションランプの多くはT10という大きさになりますが、詳細はお車の整備点検マニュアルや小糸製作所などのホームページ内、”車種別適合表”で確認しましょう。※T10サイズは自動車用の灯火類の電球としては最小クラスで多くは全長は3~4㎝、直径は1㎝以内の大きさ
12Vと24Vの違い
もし自動車の電球を買うときに12V用と24V用がある場合、軽自動車を含む乗用車は12Vとなります。24Vはとクラックやバスなど大型用になります。12Vということはバッテリー(=12V)が1つ、24Vだとバッテリーが2つということで、大きさや容量ではありません。
LEDのタイプと輝度
チップに覆われたSMDタイプのLED電球
COBとSMD
自動車用のLEDバルブにはCOBとSMDがあります。COBはチップ1枚でも明るく高価、SMDは安いかわりに、COB1枚に匹敵する明るさを出すには複数枚のチップが必要なのです。
そのため、SMD製品はたくさんのチップが付いており、COB製品はチップが少なくシンプルでスマートな形状をしていますが、同じ程度の明るさの製品ならあまり値段は変わりません。
ルーメンで表されるLEDの輝度
ポジションランプなどの灯火類やルームランプの電球の輝度は”ルーメン(lm)”という光源の総光量を計る単位で表されることが多いです。
LED電球は爆光、激光などと高輝度を売りにしていますが、先に書きましたようにポジションランプ(ヘッドライトなどの他の灯火類も)の明るさは保安基準ではカンデラ(光度)が単位となっており、300カンデラ以下となっていました。
電球(バルブ)だけでカンデラは計れない
カンデラはヘッドライトのレンズ(ユニット)の中に入れた電球の高度をルクス(lx)という照度(照らされている場所の明るさ)×距離の二乗で計算するもので、そのポジションランプが何ルーメンでも実際に車に装着してテスターで計らなければ300カンデラ以下に収まるかどうかはわからないのです。
質と値段
LEDバルブ (T10) ウェッジ球 高品質 高輝度 12V (ホワイト/ブルー/レッド/イエロー/パープル/グリーン) (2個入り) ポジション/ナンバー灯/ルーム球などに
LEDだから明るく長持ちとは限らない
LED電球(バルブ)はハロゲン電球よりも明るく長持ち、消費電力も抑えられる。だからこそ自動車の灯火やルームランプなどをLED化する意味があるのです。
実際のところ、LED電球の質によっては、短期間で一部、または全部が点灯しなくなる、最初から点灯しない(初期不良)、色はハロゲンよりきれいだけど、明るくないなんてこともあります。ネットショップでLED電球を買う時は口コミや評価を十分に考慮して購入してください。
LEDも値段相応?
ネットショップでは色々な業者が2個数百円から数千円の様々なLED電球を取り扱っています。レイブリッグやフィリップス、PIAA(ピア)、ヴァレンティなどのカー用品店で取り扱われる大手メーカーならT10サイズといえども、数千円しますが、そのかわり明るさや質、寿命などもある程度保証されます。
安価なLEDには当たりはずれがあることも
有名でない業者が製造するT10 LED電球なら2個セットで数百円から千円前後という安さです。その代わり、作りや品質もそれなりで、製品にも当たり外れが多いのが実情です。ただし、そういう安い製品でも明るさや寿命も申し分ないものもあり、一概に安かろう、悪かろうとは言えません。
価格:6,594円 |
まとめ
保安基準適合の範囲でかっこよくLED化
交換は簡単!お手軽ドレスアップ
今着けている、またはこれから着けようとしているポジションランプが車検に適合するかは「道路運送車両の保安基準」により判断されます。
明るさ、色合いは確実に保安基準に適合する範囲でお好みのポジションランプでマイカーを手軽にかっこよくLED化してください。