冬になって「暖房が全然あったかくならない…」というトラブルは、車でよくある症状。
実は仕組みはシンプルで、原因もいくつかに絞られる。
この記事では、DIY整備で確認できるポイントを中心に、暖房が効かない時の原因と対処法をわかりやすく解説します。
❄️ 暖房が効かない原因は大きく分けて2つ
① エンジンの熱がちゃんと作られていない(冷却系の問題)
② 作った熱を車内に届けられていない(ヒーターコア側の問題)
この2つのどちらかです。
順番に確認していけば、原因はほぼ特定できます。
✅ 1. 冷却水(LLC)が減っている
🔍 症状
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走っても暖房がぬるい
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アイドリングでは特に温まらない
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朝、メーターに冷却水警告が点灯することがある
🚗 DIYチェック方法
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ボンネットを開けてリザーバータンクの量を見る
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MINより下なら要補充
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タンクではなく ラジエーターキャップ側 の量が本命(※エンジン完全冷却後に開ける)
🛠 対処法
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LLCを適量まで補充
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減る場合はホース・ラジエータ・水ポンプからの漏れを疑う
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冬前に交換済みだと安心
✅ 2. サーモスタットの故障(開きっぱなし)
暖房が効かない原因の トップクラス。
🔍 症状
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水温計がいつまでも低い位置のまま
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走行中は寒いのに、渋滞気味だと少し暖かい
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燃費が悪化する
解説
サーモスタットが開きっぱなしだと、冷却水が常に冷やされ続けてエンジンが温まらない。
🛠 対処法
部品交換のみで解決。
自分で交換も可能だが、 固着ボルト や 冷却水のエア抜き が必要なので、難易度はやや高め。
✅ 3. ヒーターバルブ(温度調整の弁)の不具合
車によってはワイヤー式・電子式などがある。
暖房・冷房の切替の時に動く部分。
🔍 症状
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温度調整ダイヤルをMAXにしても熱風が出ない
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温度が一定にならない/勝手に変わる
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操作感が軽すぎる or 重すぎる(ワイヤー式)
🛠 対処法
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ワイヤーの外れや固着 → 調整・給油
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モーター式 → アクチュエーター交換
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配線不良 → 点検が必要
✅ 4. ヒーターコアの詰まり(内部がサビや汚れで滞る)
暖房の要となる「ヒーターコア」が詰まると、熱交換ができなくなる。
🔍 症状
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風量はあるのに全く暖まらない
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片側だけ温度が違う車種もある
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冷却水が古い、交換していない車に多い
🛠 DIYチェック
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エンジン温まった状態で
→ ヒーターコアに行く ホース2本の温度を触る
→ 「片方だけ熱くて片方は冷たい」=詰まり
対処法
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冷却ラインのフラッシング
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重度の詰まりはヒーターコア交換(内装バラしあり)
✅ 5. エアミックスアクチュエーターの故障
最近の車は温度調整を電子制御しており、このアクチュエーターが故障すると暖房が出ない。
🔍 症状
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風向・温度調整の反応が遅い
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「カタカタ」音が出る
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温度設定しても暖かくならない
🛠 対処法
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アクチュエーター交換(助手席足元あたりが多い)
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配線の確認
✅ 6. エアコン操作パネル・ヒューズ系のトラブル
電子制御の車では意外とよくある。
🔍 症状
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温調が全く反応しない
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AC・MODE・温度の表示が点灯しない
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風量しか変えられない
🛠 対処法
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ヒューズ切れ確認
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操作パネルの接触不良
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交換も難しくない車種が多い
🔧 自分で試せる簡単診断フロー
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風量は出ているか?
→ 出ない → ブロアモーター or フィルター -
風量は出るが暖かくない?
→ 冷却水量チェック
→ 水温計の位置チェック
→ ヒーターコアのホース温度チェック -
温度調整が反応しない?
→ アクチュエーター or 操作パネル -
片側だけ温度が違う?
→ ヒーターコア詰まり or ミックスドア不調
🚨 こんな時はプロ整備士へ
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冷却水が頻繁に減る
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水温計が上がらないまま走る
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ヒーターコアの交換が必要(内張り分解が大変)
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電子制御のエラーが出ている
暖房トラブルを放置すると、
水温異常 → オーバーヒート
にも繋がるので注意。

