「車のエアコン故障:原因と対処法」
車のエアコンは、快適なドライブを楽しむ上で欠かせない装備ですが、故障すれば熱中症の危険や快適性の低下につながります。エアコンが故障した場合、その原因や対処法を知っておくことは重要です。
以下では、車のエアコンが故障した際の原因と対処法について解説します。
1. 故障の原因
車のエアコンが故障する原因はさまざまですが、よくあるものには以下のものがあります:
- 冷媒の不足や漏れ
- コンプレッサーの故障
- コンデンサーの汚れやダメージ
- エバポレーターの詰まり
- ファンやベルトの故障
2. 対処法
エアコンの故障に対処するためには、以下の手順が役立ちます:
- 冷媒の補充や漏れ箇所の修理:エアコンを再び効果的に動作させるためには、冷媒の補充や漏れ箇所の修理が必要です。専門のメカニックに相談しましょう。
- コンプレッサーの交換:コンプレッサーが故障している場合、新しいものに交換する必要があります。
- コンデンサーの清掃や交換:コンデンサーが汚れている場合、清掃や交換が必要です。
- エバポレーターの清掃:エバポレーターが詰まっている場合、清掃して詰まりを取り除くことが重要です。
- ファンやベルトの点検:ファンやベルトが故障している場合、点検して必要に応じて修理や交換を行いましょう。
故障したときに顕れる現象や修理費用などについて
エアコンの調子が悪いときには、動作状況からどの箇所が故障しているのか、だいたい特定できます。
よく顕れる現象としては、風は出てきていても、冷房が効かないということ
正常な状態なら冷風が出てきて車内が冷えるはずですが、風が冷たくならなければ車内も冷えません。送風しているのと変わらない状態です。
このような状態のときにはエアコンガスが減っているか漏れている可能性を疑ってみましょう。
カーエアコンの内部にはガスが入っており、そのガスが循環することで冷風を送る仕組みになっています。
エアコンの内部は気密性が高く、通常はガスが漏れることはほとんどありません。
しかし、長く使用していると、少しずつ漏れたのが積み重なっていき、ガス不足に陥ってしまうことも多いです。また、経年劣化により亀裂などができていると、気密性が損なわれてガス漏れが生じてしまう場合もあります。
冷房が効かなくてガスが十分に入っているようであれば、コンプレッサーの故障を疑いましょう。
コンプレッサーというのは、空気に圧力をかけて圧縮する装置です。温度を冷やすために必要な装置で、エンジンの部分に取り付けられています。
カーエアコンの不調の多くは、コンプレッサーの故障かガス不足のどちらかであることが多いです。
カーエアコンの冷房だけでなく、暖房が効かなくなるケースも見られます。その場合には、冷却水が不足していないかどうかチェックしてみましょう。
冷却水はエンジンを冷やすためのものですが、このとき吸い取った熱を暖房に利用しています。そのため、冷却水が減っていると、暖房が正常に機能しなくなってしまうのです。
冷却水が十分に入っていれば、サーモスタットの故障が疑われます。サーモスタットは、冷却水の温度を調整するための部品です。
冷却水不足やサーモスタットの故障を放置しておくと、エアコンの暖房が使えないだけでは済みません。オーバーヒートを起こしてしまうリスクも高まります。
エアコンを付けても風が出てこないという不具合も多いです。
ファンモーターが寿命で故障しているか、エバポレーター・フィルターの汚れなどを疑いましょう。
また、きちんと風が出てきて冷暖房ともに正常でも、エアコンの風から嫌なニオイがするときにも注意が必要です。フィルターにカビが生えている可能性があります。
エアコンの調子が悪く、故障箇所がだいたい特定できたら、修理に出しましょう。カーエアコンの場合には、修理箇所により修理費用の相場も大きく違ってきます。
数千円程度で済む場合もあれば、10万円を超える場合も
まず、冷房が効かない場合でエアコンガスが少し減っている程度であれば、エアコンガスを補充するだけで済みます。
その場合の費用の相場は3,000円から5,000円程度です。カーエアコンの故障の中では、修理費用が安く済む部類に入ります。他に故障箇所がなければ、ほっとひと安心する人も多いでしょう。
エアコンガスが少しずつ減っていっただけでなく、亀裂などにより漏れていた場合には、ガスを補充しても、またすぐになくなってしまいます。そのため、ガス漏れの修理が必要です。修理費用の相場は2万円から3万円程度でしょう。痛い出費ですが、カーエアコンの修理の中では、まだまだ高い方ではありません。
コンプレッサーが故障している場合には、一般の人には判別しにくいため、修理工場に持っていって判明することが多いです。コンプレッサーの交換費用の相場はかなり高額で5万円から10万円程度かかります。
古い車の場合には、コンプレッサーが故障すれば、修理して乗り続けるか廃車にして買い換えるか検討する機会になるでしょう。
サーモスタットは、エアコン以外でも重要度の高い部品ですが、故障した場合の交換費用は1万円程度です。コンプレッサーと比べると、だいぶ安く感じられるでしょう。冷却水の交換費用も5,000円程度と安いです。
冷却水が不足していたり、サーモスタットが故障していたりする場合には、早めに修理に出しておきましょう。オーバーヒートを起こしてしまう心配もなくなります。
ファンモーターやエバポレーターの交換費用は、コンプレッサーほどではないものの、かなり高額です。ファンモーターは4万円から5万円程度、エバポレーターは5万円前後かかります。コンプレッサーと同様に、古い車だとファンモーターやエバポレーターが故障すれば廃車を検討する人が多いです。
エバポレーターは故障ではなく、汚れているだけの場合もあります。汚れているだけであれば、洗浄だけで済むのでそれほど費用はかかりません。5,000円から1万円程度でしょう。また、フィルター交換なら2,000円から5,000円程度でできます。フィルターは1年に1回程度交換するのが望ましいでしょう。
まとめ
エアコンの故障は緊急を要する場合もありますので、早めに専門家に相談し、適切な対処を行うことが大切です。
また、定期的なメンテナンスや点検を怠らずに行うことも、故障を予防するために重要です。