公道を走っているとまれに、フロントナンバーが外されていてナンバーがない車や、ダッシュボードにナンバーを移動させている車を見かけます。
ナンバーを外して車に乗っている人に話を聞くと「フロントナンバーは見える位置にあれば大丈夫」「警察に捕まったことない!」「バイクは後ろにしかナンバー無いから車も大丈夫」と三者三様のとんでも法解釈を聞くことが出来ます。
スポーツカーもフロントナンバーをセンターから左右にオフセットして移設している車を見かけることがあると思います。
三菱のランエボは純正状態でもナンバープレートが左右にオフセットして取り付けられています。
ナンバープレートについて
「フロントナンバーをダッシュボードにおいて良いのか?」
「ナンバーを勝手に動かして良いのか?」
「ナンバー取り付けの角度や位置は決まっているのか?」
1 ナンバーを表示の義務は法律で決まっている
1.1 「ナンバー表示の義務」改正前の規定
2 ナンバーレス・ダッシュボード仕様で警察に捕まった時の罰金や点数
3 このまま公道走ったら違法改造車卍の人たち
4 ナンバー左右オフセットで合法な人たち
ナンバーを表示の義務は法律で決まっている
(自動車登録番号標の表示の義務)
第十九条 自動車は、国土交通省令で定めるところにより、第十一条第一項(同条第二項及び第十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により
国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受けた自動車登録番号標及びこれに記載された自動車登録番号を見やすいように表示しなければ、運行の用に供してはならない (対象 登録自動車)
当たり前になりますが、ナンバープレートを表示しないと公道を走行できないことは「道路運送車両法」で定められています。
ナンバーを取り外して公道を走行することは、悪いことだって言うのは小学生だって知っているぐらい、認知度があります。
ナンバーを表示しなくてはいけない法的根拠は「道路運送車両法 第十九条」に明記されています。
ナンバーを表示しなくてはいけないことが法律で決まっていることはよくわかりましたが、この規定だけ読んでも取り付け方法や位置に関しては触れられていません。
第八条の二 法第十九条 の規定による自動車登録番号標及びこれに記載された自動車登録番号の表示は、自動車
の運行中自動車登録番号が判読できるように、自動車登録番号標を自動車の前面及び後面の見やすい位置に確実
に取り付けることによって行うものとする。ただし、三輪自動車、被牽引自動車又は国土交通大臣の指定する大型特
殊自動車にあっては、前面の自動車登録番号標を省略することができる。
(自動車登録番号標の取付け)
第八条の二 法第十九条 の規定による自動車登録番号標及びこれに記載された自動車登録番号の表示は、自動車の運行中自動車登録番号が判読できるように、自動車登録番号標を自動車の前面及び後面の見やすい位置に確実に取り付けることによって行うものとする。
ただし、三輪自動車、被牽引自動車又は国土交通大臣の指定する大型特
殊自動車にあっては、前面の自動車登録番号標を省略することができる。
2 国土交通省令で定める方法は、次のいずれにも該当するものとする。
一 自動車の車両中心線に直交する鉛直面に対する角度その他の自動車登録番号標の表示の方法に関し告示で定める基準に適合していること。
二 自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして告示で定める物品以外のものが取り付けられておらず、かつ、汚れがないこと。
ただし、この基準も2021年4月1日から適用が変わり、ナンバーの上下左右の角度やフレームに関しても、全て数字で規定される様になります。
法律をキチンと守って運用したい人には、明確に細かく数値で定められていた方がわかりやすくて良いですね。
数値がない曖昧な定め方だと、運用者次第でどうとでも解釈できてしまいます。
2021年から適用とはいえ、現在でもほとんど同じような感じはしますね。
ここまで見ていくと、なんでナンバーを外したり、ダッシュボードに置く人がいるのか不思議になってきますが、実はこの第十九条が、2016年4月1日に新基準の適用が行われ「改正」されました。
今説明してきたことはこの改正された基準だったんですね。
じゃあ、改正前はどうなっていたのか見ていきましょう。
「ナンバー表示の義務」改正前の規定
・道路運送車両法(自動車登録番号標等の表示の義務)
第一九条 自動車は、国土交通省令で定めるところにより、自動車登録者号標及びこれに記載された自動車登録番号を見やすいように表示しなければ、運行の用に供してはならない。
・道路運送車両法施行規則(自動車登録番号標の取付け)
第七条 自動車登録番号標の取付けは、自動車の前面及び後面の見やすい位置に確実に行うものとする。
・道路運送車両法施行規則(自動車登録番号標等の表示)
第八条の二 自動車登録番号の表示は、自動車の運行中自動車登録番号が判読できるように、自動車登録番号標を自動車の前面及び後面の見やすい位置に確実に取り付けることによつて行うものとする。
改正前はガバガバですね。決まっていることは「見やすい位置に確実に取り付けを行う」と言うことだけです。
確かに、この規定だけであれば「フロントバンパーにナンバープレートを設置する必要は必ずしも無い」って感じですね。
でも、ダッシュボードに挟むだけって言うのはダメです。「確実に取り付けを行う」とあるので、この要件を満たせません。
どうしてもダッシュボードに付けたい場合は、ステーを制作してボルトで確実に取り付けすればギリギリ要件を満たせたかもしれません。
ただし、これは改正前の規定なので現在の規定では「ダッシュボードに設置」は完全にアウトです。
なぜなら、ナンバーカバーが全面禁止されているので、ガラスの内側に設置するとナンバープレートの前にガラスがかぶってしまうので、要件を満たせそうにありません。
というわけで、以上のことから現行法ではダッシュボードに置くのも、フロントナンバーを取り外してナンバーレス仕様にするのも完全に違法ということになります。
ただし、左右にオフセットしたり、ナンバープレートを規定を満たす条件の中で移動させることは合法です。
ナンバーレス・ダッシュボード仕様で警察に捕まった時の罰金や点数
第百九条 次に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十九条の規定に違反した者
なんとも優しいことに、点数は引かれずに50万円以下の罰金のみと言う優しい取締です。
50万円以下というのは、違反の程度によって金額が決まると言うことです。
違法改造車載せようと思い5万円程度でも、違法改造車の人は50万円の罰金になるかもしれません。
まとめ
いろいろと調べてキチンと法的根拠を持ってして、ナンバーレスやダッシュボード移動は違法だと言うことを説明できました。
マジな方々は、法律が変わろうが、違法だろうが、己のスタイルを貫くという強い意志と罰金を払えるだけの財力が備わっているはずです。
自分のスタイルを貫くという点は激しくリスペクトしてますよ!
しかしナンバープレートは構うなという事ですね。