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最近の車に付いたり付かなかったり、アイドリングストップについて メリットとデメリットを見ましょう

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信号待ちや渋滞などで一時的に車を停止するとき、エンジンも停止するのが「アイドリングストップ」という機能です。

最近の車で標準装備になっていますが、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

また、アイドリングストップはキャンセルができるのでしょうか。

アイドリングストップとは

アイドリングストップの「アイドル(idle)」には「活動していない」という意味があります。そこから転じて、エンジンがかかったまま車が停止している状態を「アイドリング」と呼ぶようになりました。

アイドリングストップとは、無用にエンジンがかかっている状態を停止させ、燃料の消費を節約する方法です。

アイドリングストップの歴史

一昔前ではアイドリングストップを行う場合は、停止中に手動でエンジンを止める必要がありました。しかし、現在では停止中に自動的にエンジンを止める機能が備わっており、同じアイドリングストップ機構でもメーカーによって呼び方が異なります。

トヨタなら「Stop and Start System」または「SMART STOP」です。マツダは「i-stop」、ダイハツは「eco IDLE」、三菱は「AS&G(Auto Stop and Go)」と呼ばれます。
昔はエンジンの性能が低く、いきなり車を走らせると傷めたり、十分にスピードが出なかったりする原因になると考えられていました。

しかし、近年のエンジンは性能が向上しているだけでなく、電子制御によってかけた直後でも十分に作動してくれます。暖機運転によるアイドリングが必要なのは、せいぜい寒冷地で、水温計が上がり出すまで暖めるために必要なくらいでしょう。

けれど信号待ちや渋滞で一時的に車を停止するときは、意図せずにアイドリングしている状態になってしまいます。アイドリングは燃料のロスになり、無駄な排気ガスによって空気も汚してしまいます。

だからといってドライバーが自らアイドリングストップするのは面倒ですし、万が一のときすぐにエンジンを作動できず危険です。

そこで停車時にエンジンが自動的に切れて、発進時に再始動する機能が搭載されるようになりました。機能自体は1970年代からありましたが、2001年に「グリーン化税制」が施行されたのを機に普及が進んでいます。

アイドリングストップ機構の仕組み

アイドリングストップ機構は車の速度が一度でも20km/h以上になると、次にブレーキを踏んだときに作動します。停止したエンジンはブレーキから足を離したり、ハンドルを動かしたりすると再始動する仕組みです。メーカーによって仕様は異なりますが、早ければ再始動するまで0.4秒です。

他にも快適に運転するため、低速で駐車操作をするときや渋滞で前進と停止を繰り返すときは作動しません。またCVTの副変速機をロックすることで、エンジン始動時に押し出されるような衝撃を軽減したり、上り坂で後退するのを防いでくれます。

アイドリングストップは燃料の節約に効果があり、排気ガスも削減します。作動中はエンジンが停止するので音も静かです。燃料は10分で0.15~0.20リットルの節約と微々たるものですが、排気ガスの削減量は10分で70~100gと環境配慮には大きな意味があります。

アイドリングストップはデメリットの方が大きい?

そんなアイドリングストップですが、デメリットもあります。むしろドライバーによってはメリットよりもデメリットのほうが多いかもしれません。

まずアイドリングストップのたびに電力を消費するため、バッテリーやオルタネーター、セルモーターの負担が大きく、バッテリーを大型化しなければいけません。
さらにアイドリングストップを導入するには専用のスターターシステムを搭載する必要があり、車両価格は非搭載の車より高くなります。燃料の節約だけでは元が取れません。

またエンジンがスタートする時の振動でゴム製の部品やベルト類が摩耗し、劣化が早くなるのもデメリットです。電気のON/OFFも頻繁になり、車をコントロールするECUをはじめ電装部品の不具合が起こりやすくなります。つまり交換や修理などで維持費が余計にかかるのです。

エンジンが停止するということは、アクセサリーポジション(ACC)にするのと同様の状態となり、カーナビやオーディオは使えますが、エアコンが使えなくなります。
最近はファンだけ回るよう改良が進められていますが、冷やしたり暖めたりすることはできません。暑い日や寒い日はとても不便です。

そして何よりも運転に違和感があります。どんなにブレーキから足を離して0.4秒で再始動しても、微妙なタイムラグを感じるドライバーもいるようです。ハイブリット車よりもガソリン車のほうがタイムラグは長くなります。慣れないと右折のときにタイミングよく車を動かせず危険です。

車によっては走行中にブレーキとアクセル操作を繰り返すと、そのたびにアイドリングストップと再始動も繰り返されるため、煩わしく感じるかもしれません。
特にスポーツカーのような、操作によってフィーリングが変わる車に搭載されていると、運転を楽しむどころではなくなるでしょう。

アイドリングストップはキャンセルできる

アイドリングストップは運転席周りのスイッチパネルにある「OFFボタン」でキャンセルできます。ただしキャンセルは一時的で、エンジンを切ってしまうと再びかけたとき自動でオンになります。運転するたびにキャンセルするのは面倒かもしれません。

2018年現在ではアイドリングストップが標準機能になり、非搭載の車はほとんどありません。アイドリングストップ機構の非搭載車は、S660 (ホンダ) やアルトワークス(スズキ)のMT仕様、ハスラー(スズキ)のAやekワゴン(三菱)のEなどエントリーグレードの車くらいです。アイドリングストップが非搭載の車にこだわると選択の幅が狭まってしまいます。

そこでキャンセラーを使って常時OFFにする方法があります。これでエンジンを切っても元に戻らず、キャンセルされた状態が続きます。
OFFボタンと配線の間にキャンセラーを割り込ませて、常時OFFにする機能を追加する仕組みです。

価格は2,000~7,000円くらいで、カーショップや通販などで購入できます。
取り付けにはドライバーやペンチ、ニッパーが必要です。多くのキャンセラーには説明書に何色の配線がどの機能を持っているか書かれていますが、分からない場合はテスターを用意して確認したほうが良いでしょう。

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途中で配線を切断したり、割り込ませたりする作業が発生しますが、コネクタ式なら被覆を剥かなくても簡単に接続できます。そのため1時間もあれば作業は完了するのです。
どうしても正しく取り付ける自信が無い場合は、工賃はかかりますがカーショップでの取り付けをおすすめします。

なおアイドリングストップのキャンセラーを取り付けていても車検には問題なく通りますが(メーカー車検ではNGになる場合があります)、買取査定の際にはマイナスの原因になります。

たとえ買取前に取り外したとしても、配線を切断しているので元に戻す手間が発生します。業者によっては、こうした跡が残っているだけでもマイナスです。
キャンセラーの中には、あらかじめ配線がセットされたものを「カプラーオン」で簡単に接続できるタイプがあります。これなら配線を切断する必要がなく、取り外しても元の状態に戻すのは簡単です。
少し価格は高くなりますが、車を乗りつぶさないのであれば購入を検討してみましょう。

まとめ

アイドリングストップは環境に配慮された機能であり、無駄な燃料の消費を抑えてくれます。

一方で一部のドライバーには不評で、車が傷みやすくなったりエンジンの再始動にタイムラグが生じてしまうデメリットがあります。そのためアイドリングストップをずっとOFFにできるキャンセラーも販売されています。

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shimada550923
車を所有して約20年 車が好きで運転もカスタマイズも程々にやっております。 スポーツカーミニバンまでカスタムと車両のトラブルを色々体験してきました。 体験も載せていきたいと思いますので宜しくお願いします。