■エンジンブレーキの仕組みと使い方は?
ブレーキは車を減速させたり停止させたりするために使用されますが、減速時に使用されるブレーキには2種類あります。
1つはブレーキペダルを踏む「フットブレーキ」ですが、
もう1つは「エンジンブレーキ」
「エンジンブレーキ」とは何でしょうか?
フットブレーキは
ブレーキペダルを踏むことにより、車輪とともに回転するディスクやドラムにブレーキパッドやブレーキシューと呼ばれる部品を油圧で押し付けることで摩擦を発生させ、回転を止めて車両を減速させる方式です。
通常はこのタイプのブレーキが使用されることが多いですが、車両を減速させるもう一つの方法としてエンジンブレーキがあります。
エンジンブレーキとは
アクセルペダルから足を離すことでエンジン回転数を下げ、その抵抗を利用して車両を減速させる方法です。
アクセルペダルから足を離すだけでエンジンブレーキがかかりますが、より強いエンジンブレーキの効果が欲しい場合はギアを下げてください。
ギアを下げるとエンジン回転数が上がり、このときエンジン回転数を落とそうとする力も大きくなり、強力なエンジンブレーキがかかるようになります。
例えばMT車の場合は5速から4速、3速とギアを下げるにつれてエンジンブレーキが強くなり、AT車の場合は車によって表示は異なりますが「D」からエンジンブレーキが変化します。 「S」から「B」へ。
ギアを変えるとエンジンブレーキがかかります。 AT車の一部には、シフトを「D」から「-」(マイナス)側に操作することで、MT車と同様に1段ずつシフトダウンできるモードが搭載されています。
また、エンジン回転数が高い場合にはエンジン内の燃料噴射が停止するため、エンジンブレーキを活用することで燃料消費量の削減につながります。
このように、同じブレーキであっても仕組みは全く異なりますが、役割も異なるため、状況に応じて使い分けることが大切です。
フットブレーキは、車を大幅に減速したり、完全に停止させるときに使用しますが、長い坂道を下る場合などでブレーキを使い続けると、ブレーキが効かなくなる恐れがあります。
これは、ディスクローターとブレーキパッドの摩擦熱がブレーキフルードに伝わり、沸騰して泡が発生し、ブレーキペダルの操作が伝わらなくなる「ベーパーロック現象」によるものです。
ブレーキパッドは摩擦により高温になります。 これはガス膜が発生して摩擦力が低下し、ブレーキの効きが悪くなる「フェード現象」によるものです。
一方、エンジンブレーキはエンジンそのものの回転数を落として車両を減速させる機構なので、ブレーキパッドやディスクローターなどの部品を損傷する心配がないので、活用すると良いでしょう。
ただし、エンジンブレーキは急減速や急停止が難しいため、短距離で大きな減速が必要な場面での使用には適していません。
また、エンジンブレーキはフットブレーキと異なり、使用中にブレーキランプが点灯しないため、後続車にブレーキがかかっていることが分かりにくいというデメリットもあります。
まとめ
エンジンブレーキを使用していることに気づかず、後続車が速度を落とさずに接近し、追突事故を起こす危険性がありますので、フットブレーキと併用して車を逃がしてください。
後ろではブレーキを使っていることがわかります。 。 また、必要以上にエンジン回転数を上げると、エンジン騒音が大きくなり、エンジンへの負担も大きくなりますので、メリットを生かすために上手に使いましょう。
高速道路や山道などの長い下り坂では、ブレーキのフェードを防ぐためにエンジンブレーキの使用を促す標識が設置されている場所もあります。 それ以外の場所でもエンジンブレーキを有効に活用することで燃費の向上につながりますので、フットブレーキと併用すると良いでしょう。